翳りに煌めき

破産にも関わらず出かけてきましたよ。

イェ〜!

引きこもりがおんもの写真をあげるのも珍しいですね。
でも、こんな素敵なイヴェントが行われてるんですから、思わず記念写真もパシャリです。
タイトルの上に何か書いてありますね。

何て読むんでしょう?
ヒゲソりではありませんよ。「かげり」だそうです。


確かに2人ともオモテ社会の人間ではございませんので、翳り(かげり)があるといえばそうですね。
医者の格好しても翳り、スーツ着ても翳り、サングラスすれば翳り、ヒゲソリしてても翳り....
最後まで2人の関係をひた隠しに、ひた隠しにして、最後の最後、2人に生まれた絆が、社会性?で張り詰めた世界を破裂させるが如く、
「イェ〜!」
最高の作品ですね。

ボヘミアンラプソディなんかで、観客も一緒に歌っても踊ってもOKなんてのが一時行われましたが、「さらば友よ」だったら、バッチリ酔っ払っても、イザベルモロー(手練)やワーテルロー(おぼこ)も診察室の半裸BGにもヒューヒュー囃しても、人形と一緒に"Papa, Parti(パパいないの)"と繰り返し真似してもOK、そして最後の最後はみんなで
「イェ〜!」
と大絶叫!!フランソワドルーべのエンディングテーマで大喝采&大歓声、なんてできたら楽しいでしょうね。
ホラー秘宝祭りの回でも書きましたが、今また過去の名作の新しい発見があるならば、楽しみ方も色んな形があって然るべし。
やたらラグジュアリーな座席とか、床も椅子もグリングリンするとかはすでにありますが、プライベートオンデマンド上映、作品もオンデマンドなら、ごく少数の座席で、座席は1人〜お好みの数でグループ化もオンデマンド、各グループ間は十分なスペースあり、スクリーンは極力大きく、高音質爆音音響、なんていうミニミニシアターブースってできませんかね?
巷にはカラオケBOXの発展系とかありますが、結局周りからの音漏れがひどかったり、所詮液晶モニターですからね。アマプラやら映画(ソフト)業界やらデベロッパーやらの発想の転換でカタチに出来ませんかねぇ。

あのー、そゆのをホームシアターって言うんじゃ...?

おいちゃん、それを言っちゃ〜おしめーよ。
爆音はご近所迷惑だからムリ、プロジェクター&スクリーンなんてお部屋が狭いからムリ、一緒に盛り上がる友達や仲間なんていないからムリっ!

ということで、今日もまたお家では1人で盛り上がるとしやであった。
爆音とまではいきませんが、運良くそこそこ大きな音は出せます。
モニターも中古ですが新調したDisplayHDR1500だど!
42.5インチもあるから、テレビ台から盛大にはみ出していてウチにしては大画面で、さぁ、何を観る⁈

そりゃこないだの続きのこれらでしょ?

まあまあ、そう慌てなさんな。
実はウチにはこんなのがありまして、ついこの間観たばっかなんです。「翳り」祭りに行く前に。


裏面の解説、右中の黄文字に注目!
『オリジナル原語の英語版(HD画質)』とな。原語?
まとにかく、英語版とフランス語日本語吹替版では画質が異なる⁈
*ちなみに今回の新文芸坐上映は英語版。本邦初なんですって。

どれどれと見比べて、あれっ!とビックリしたのが、英語版では口の動きが英語だし、フランス語版ではフランス語っぽいし、なんか演技もちょっと違ってるぞ!ということ。

特にあ〜やっぱり!別撮りなんだと気付いたのが、金庫ダイアル盗撮写真をレストランで見せられ、「まだ名前も知らないわ」なんて言われて名を告げるドロンの「ディノ」というセリフ。
英語版ではすんなり「ディノ」ですが、フランス語では左手のジェスチュアもしながら「ディ、ノ... 」。
初めて観たのはフランス語版でしたから、自分の名前言うだけでこんなカッコつけられるんだから、もう絶対叶わないよな〜なんて思ったもんですが、これ、英語が先でフランス語が後撮りでしょきっと。
最初に撮った英語版は言ってみればリハの要素もあり、2回目撮る間に思いついちゃったんでしょきっとそうよ!ニクイわね。

金庫でドロンが株券をばら撒くところも、英語版ではばら撒いただけ、2回目であろうフランス語版ではブロンソンの体の上にしっかり降り注いでますもんね。
んなのそこだけ切って使いまわせばインじゃん?なんて思ったりしますが、セリフ部分も同じカットなので、あえてちゃんと撮ってるんでしょう。

んじゃ2回目であろうフランス語版の方がより良いのかといえばそこは何ともですが、このブルーレイに関しては、英語版がちょっと見ものです。
それは英語版(HD画質)とフランス語版(SD画質)の違い。

SDよりHD、そのもっと上が2K、4K..と解像度が上がっていくそうなので、SDとHDじゃ大した違い無いのか?といえば、これが結構な違いでした。

一番顕著なのが、光の部分。「さらば友よ」でいえば、つまり反射の強い物体の一番光っている部分が、綺麗に煌(きら)めいているのがHD、ちょっとぼんやりしちゃうのがSDでございます。
金庫室の扉を開けるスイッチレバーが隠れている壁の扉の中にある、碍子の白いソケット。この半球状の突端が、キラッと小さく煌めいているのがHD、ポワンと光ってるのがSD。

んな細かいところ!と思うかもしれませんが、これを端緒として、全編くっきりなのが英語版でございましたということ。
でもこういったちょっとした所が人の心には印象的に残るものなんです。
ここで突然話はARROW版DEEP RED UHDに戻りますが、
アマンダリゲティが殺される風呂場の蛇口、このクロムメッキの突端がやはり煌めいているのです!
ゴブリン史上最高にカッコいい名曲"DEATH DIES"に乗せて、犯人がクリクリっとスピーディに蛇口横のハンドルを回す様が、"DEATH DIES"のスピーディ/グルーヴィ感と相まって実にヤバかっこイイ何度見ても名場面なのですが、そのハンドルを回す黒手袋がクロムメッキの蛇口に反射して、蛇口の煌めきが明滅するのをはっきりクッキリ映し出している。これはアルジェント名シーンへの21世紀からの祝福ともいえる功績!うむ、苦しゅうないぞ!褒めて遣わす。
こういうことですよ。最新技術って。
AI技術まで使って忖度補正してるわけでも無いでしょうし、しかしオリジナルフィルムが持っていたポテンシャルを今の技術でお茶の間に映し出す!コレですよ!!
*またまたちなみに、35mmフィルムの情報量は、デジタルで相当するグレードが4Kなんだそうです。ざっくりですが。

あと、ARROW UHDの褒めるところを探すとすれば、メニューがちょっとセンスがいいところですかね。
でも作品中のシーンの切り取りですから、始まる前から見せちゃうのってどうなの?とも思いますが。

今回の翳り祭りの併映は、ブロンソンの「狼よさらば」でした。2本立て価格が嬉しいですね。
へぇ、ブルースウィリスのリメイク版なんてあったんですね。
ミックテイラーバンドに飛び入りしてブルースハープ吹いてた頃は幸せそうでしたが、「ジャッカルの日」といい「狼よさらば」といい、焼き直しばっかやらされちゃうんじゃ可哀想ですよね。「翳り」組に入れたイイ役者だと思うんですが残念。
思えば、ダイハードの「イピカイェ〜」って、さらば友よの「イェ〜」なんですかね?
なんてね。
また長くなっちゃったので、アルジェントもまだまだ続けるよー。



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