いけません、いけません、
そんなにもアルジェントに人生支配されてしまっては。。。
何かこう、命の大切さとか、例えば痛さ怖さが存在せず、仮にそんなことが起きても、これは非現実、忌み嫌うものとして他所に置いておいて、可愛い楽しそうなゴミひとつ落ちてないような世界を体験できる趣味や生活を送れる友人やパートナーと生きなくちゃダメよ、はは。
ウン十年ぶりに池袋に行ったと思ったら、またもや呼び戻されてしまうのネン、アルジェントに。
取り憑かれてるんでしょうか?アルジェントの生き霊に。いや、むしろアルジェント作品の永遠の生命力が、触れた者の情念を掻き立てるのでしょう。いつの代も。
眠っていたというより、そこに時間軸は無く、魂が湧き立つ様に行動し始める。眷族(けんぞく)なんですな。なんちて。
先日もこんなことがありました。
実家に帰った際、壊れた椅子を廃棄するので脚やらをノコで切っていたのですが、最後に残った座面の合板がとても硬く分厚く、こりゃノコじゃ日が暮れちゃうと思っていたら、家人がナタを出してきました。
するとどうでしょう。
途端に脳内に"DEATH DIES"のイントロが流れ「ウガァッ!」とナタを振り下ろし、もう大コーフン!
しかし手で振り下ろしただけではスパ〜ンとパックリ割れてはくれず、ブッ刺さったナタの頭をでかいハンマーで叩いて、無事メリメリっと引き裂くことができました。
作業を終えて、さぁ晩御飯のお使いに行きましょうと車を出したところ、何と!運転席、の後ろのドアが突然開かなくなってしまいました!
これにはちょっとひとり戦慄してしまいました。
あ、Profondo Rosso(サスペリアpart2)と実生活がシンクロしちゃったってこと、お分かりいただいてますよね?
ナタ振り下ろしの時にも思ったのが、スパーンと切り離す(切落とす)ってそういえばアルジェント作品にあまり出てきませんよね。「シャドー」のベルルスコーニ夫人は珍しい方で、むしろ不可抗力によるところを重要なシーンで描きますよね。
Profondo Rossoの首チョンパとか「4匹の蝿」の首チョンパとか。
これらはエレベーターが太いネックレスを巻き込んでとか、高速でトラックに後ろから突っ込んだため荷台が前方からギロチンの如くやってきたとかなので、人の手によるものではありません。
むしろそれが「より怖い」と観せているのではないでしょうか。
昔々、アルジェント作品に触れた当初、アルジェントが「机の角に足をぶつけたりしてとても痛かった経験は誰でもあるだろう?」なんてが言ってたのを読んだことがあり、なるほどねー、だから非現実でもあんないや〜な怖い感じがするのか、しかも刺したりする手の演技は監督本人が演ってるっていうじゃない?「私が一番上手い」とか言って。
でも、不可抗力が重なって...という方がよほど圧倒的に悲惨で太刀打ちできない恐怖だったりします。
だからサスペリアの冒頭で、自動ドアを開閉する機械部がまるで刃物が擦れるような音を立てて作動するのを写したり、排水口や側溝に水が吸い込まれていく様や水門が水で溢れかえっている様子をわざわざアップでインサートするのも、人とは異なる力への畏怖ということでしょう。
エレベーターシャフトを巻き上げるモーターはやたら力強そうですし、一瞬で車の上部をもぎ取ってしまうトラックとの衝突の衝撃をじっくり記録するための高速度撮影、なんですね。
ということで「サスペリアPART2 4Kレストア 日本公開45周年記念 UHD+BD-BOX(4枚組)」も結局予約しちゃったし、年末までアルジェント漬けなのであった!な〜はっはっは。
ではアルジェントソフト群の続き行ってみましょか!
じゃ、比較対象として国内版DVD、Blu-rayも一緒にパチリ。
で、結論として英国ARROW盤でまともに観れるのはこちらでした。
*これ以降は、書き込み当時の感想で、実は「色合い」問題はほぼ解決しました。2023年12月31日と2024年1月27日の投稿で解決のステップを書き込んでいますので、ぜひぜひお読みください。
しかし、80年代の作品ということでマスターの状態がいいのかどうかは知りませんが、国内盤DVDもARROW盤UHDも色合いはキレイでした。
さらに、Profondo Rossoでも書きましたが、青がいかにキレイか。
この点がこの「シャドー/TENEBRAE」の評価ポイントです。
管理人の娘がチンコロ、あいや犬に追いかけられるシーン。
ひっそりとした夜の木々、よじ登るフェンスの支柱の青みがとてもよく発色しています。
でも、左の国内盤Blu-rayで十分ですね。
さらに特典のオーディオコメンタリー。いわゆる本編にコメントするやつで、普段は特典でついていてもまず観ませんが、こちらはアルジェント本人とクラウディオシモネッティの2人(監督と音楽担当)が映画本編を流しながら当時話等々語っているのですからこれは聞きもの!
本編観た後だっていうのに、一気に観て(聴いて)しまいました。
また、当時の日本語吹替がすばらしい!
そんな風に言ってないじゃん!という、若干広川太一郎イズムを感じさせるちょっとした脇のセリフが実に面白いですね。言い寄られるカメラマンの捨て台詞とか警察署で下着ドロと捕まえた警官とかetc...
そしてこれは有名なのでご存知の方も多いかも。真犯人の断末魔のセリフ、そして冒頭のナレーション。インですよこれくらいやっちゃって!
「わたしは目撃者」と「歓びの毒牙」はやはり暗めの色合いが実に残念。
「わたしは〜」の方は、DEEP REDでもそうだった、カメラに近い人物の顔が白くて、離れると赤ら顔。
主人公の2人、記者のジョルダーニは赤ら顔でカトリーヌスパーク様はマッチロケ。
そりゃ〜女性はお化粧がノレば多少の差は致し方なしですが、これじゃぁまるで厚化粧の年増みたいじゃないですかっ!許さん!!
こういうところで、「ちょっと待て、こんなのお客様に出せるか!」ってならないのが行けませんね。
実はさっき観ていたYouTube番組でも、司会の元グループアイドルが顔面のみ真っ白で他との差が... でして、まぁ低予算のYouTubeならいざ知らず、元はしっかりしているのにスパーク様がこれじゃ浮かばれません。
やはり作り手(マスタリング)に矜持があるかということなんでしょうね。
新文芸坐の上映ソースは何か知りませんが、4K対応で、音もこだわりアリとのことで、ちょっと期待しちゃいましょうかね。
次回はいよいよ「サスペリア」について。
珍しいアイテムも手に入ったのでそれ含めご紹介しましょう。
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