なんだこれは⁉︎
タローマン風に呟いてみましたが、正解は"Betel nut box"。
『何のコッチャ？』
東南アジアでは「檳榔（ビンロウ）」なる木の実に石灰をぶっかけて檳榔の葉っぱに包んで噛みタバコよろしくクチャクチャやって若干ハイ？になる文化があったそうな。
ニコチン、アルコール、カフェインとともに嗜好品として用いられ、この様な手の込んだ金属製のBOXは、フィリピンのミンダナオ島、マラナオ族の間でおもてなし、又はステイタスとして重用された。製作は20世紀半ば以前と思われる、とのことです。
後半のアカデミックなところは改めてググったものですが、檳榔噛みの文化は80年代初頭のポパイ（雑誌）で見た覚えがあります。
で、このBOXに関しては何年も前からebayでヴィンテイジ機材を検索した際にちょこちょこ見かけており、妙に気になる存在でした。
檳榔噛みには興味なしです。発がん性も言われてますし、何よりくちゃくちゃ噛むと口ん中真っ赤になって歯も赤く染まったり、しかもその赤い汁をそこいら中にペッペッと吐くとかちょっとね。何か昔々、小学校の頃虫歯の検査だとして真っ赤な液体を少量口に含み、グチュグチュやってそれがどうした？というのを、プラスチックのコップの感触とともに思い出してしまって、あーやだやだ。
ちなみに、台湾では、歓楽街の辻々に派手な照明のタバコ屋みたいなBOXがそこいら中にあって、通りから声を掛けると、檳榔売りのうら若き乙女が、それはそれはあられもない格好で車まで檳榔を持ち届けるという風俗文化が数年前まであったそうです。
"Taiwan Betel nut beauties"とか"Betel nut girl"とかで検索すると、そんなお嬢さん達が夜の街々に現れるお姿がいくらでも出てきます。
で、冒頭の写真のものは、だいぶ前からウォッチリスト入りしていたのですが、この度大幅値下げとなってめでたく購入できた次第。
そうなんです。やはり骨董品扱いとも言えるものですので、状態も良く、象嵌細工（白っぽいところは銀？）が精緻であればあるほどすんごく高価なんですね。
で、届いたBOXはというと、
蓋の留め具が無くなっちゃって、パーツバラバラなのが格安の要因でしょうか？
両端のハンドルもありませんし。
石灰ってよく解っていませんが、とても口に入れるものとは思えません。
では、なして長年このBOXを見続けていたかというと、それはそれはある妄想が常に頭の片隅に湧き続けていたからです。かつて台湾の街に舞っていた夜の蝶=檳榔売りガールとのめくるめく一夜ではなく。
この蓋の模様＝象嵌細工で描かれているのはお花模様。
お花で解決していない案件が我が家にはあったのです。
Le Farfalle Nella Notte (You're my midnight Queen - Flower of Life )で完結したかに思われたこのヘッドスットック。
やはり「魔法少女のスティック」感が拭えぬこの佇まい。
蝶が止まるのは「お花」→ Flower of Lifeとなったのですが、この檳榔象嵌BOXのお花の方が、アイコン、メタファー的にも、時代的にも寄り添うのではないかということです。
この蓋の部分を若干加工してヘッドストックに賑々しく戴いた姿を見てを想像したらならば！
いつか手に入れられるならば、ついに完全なる完成か！！
して、時が巡ってきた=時は来たりてでございます。
うやうやしくジャジャ〜ン！
おホホ〜
ある種、タトゥーの様な存在感がイイですね。
🤍
そうです！
頂には、我が音楽の詔（みことのり）、MINAのご尊顔を拝しているのは皆まで言うなでありましょう。
ちなみに、このプレートの裏には、もともと裏蓋に貼り付けあった、"NATIONAL MUSEUM OF THE PHILIPPINES MANILA"の管理シールを移植しておきました。
これからこの文化財たる「花蜜」は、我が愛機とともに受け継がれることでしょう。 誰に？
ところで、
『前回の"Flower of Life"のアルミ板との違いは、肝心の音に影響してるの？』
との問いに答えますならば...
例の「ネジパテ」でネックジョイントスクリューのグリップ力が上がり、『上から下まで鳴りが良く、しかもギターに大事なミドルも失われていない』状態だったこの個体に、ヘッドストックに比重の重い真鍮&シルヴァー製のプレートが密着されることで、ネック先端の振動が抑えられ、より弦振動のボディへの伝達を後押しすることなって居るのを感じざるを得ません。なっはー！
『ならアンタ！そのギターで新しいフレーズなりメロディなり、はたまたアンタが一番億劫がってる新しい曲とかひり出せたの？ン？』
はい、おっしゃる通りですね。
でもきょうは美味しいお酒が届いたので、これをバッチリ管理して味見するので、また明日ね🤍
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