2021 A FUZZ FACE ODYSSEY



FUZZ FACE買いました、いい歳して。
って、イイ歳のオヤジしか買わないか。

確か80年代後半だったか、突如リイシューされたFUZZ FACEを買ったことがあり、オリジナルや最近のものと違ってゴムのシマシマが縦で無く横縞、FUZZのポットに何故か電解コンデンサーが付いていて、ハハァ、今やFUZZ FACEの代名詞となったギターのvol.を下げると始まる「鈴鳴り」クリアサウンドはこれが秘密か?なんて思ったら違ったりしたものですが、結局ジミヘンしかできねえじゃん、と仕舞い込み、時節は流れ21世紀になってから、もう使わないなーと手放したらいい値段で売れましたなんてことがありました。

しかし、元々のFUZZ FACEの「そもそも」の魅力ってリイシュー1台で理解できるものではないでしょうし、これに関してはYouTubeにいくらでも良い資料があります。「当たり」のオリジナルの動画や、FUZZ FACEの筐体を使ったモディファイもの等々。
それに、うちのこのゲルマファズ
(前にもご紹介した、ケースは自分でペイント、中身はビルダーの方に組み込んでもらったもの)が、素晴らしくファズの深淵なる世界をその音が覗かせてくれた。つまり「音が太いとはこういうことか!」「なんだ、今でも『そもそも』の音って作れるんじゃん!」ということにハッと気づいて、またぞろ『FUZZオデッセイ』に旅立つことと相なったわけです。
*ブログのラベル(カテゴリー)「FUZZ 」でこのペダル含め、FUZZ記事まとめて読めます。

んだば、今回手に入れた21世紀のリイシューFUZZ FACEはというと、

さっきの写真は青みが強いですが、実物はこちらの方が近いですね。
凸凹の表面の凹に青緑の塗料が入り込み、凸は銀色の地が見えています。
ノブはようやく当時のオリジナルに近づけて型を起こしたようですね。その阿鼻叫喚サウンドにFUZZ FACE自身が目玉飛び出しちゃってるようでナイスです。
ヴァージョン違いでは、"Band of Gipsys"ってのもあって、赤ら顔に白目玉という、ルックス的には一番のものもありましたが、中古市場価格も他のものの倍以上が相場で、あの白ノブ単体では手に入らないようですね。

中身の図。
基盤のレイアウトもオリジナルに寄せてるんですね。
トランジスタはシリコンです。

で、音はどうなのかというと、使える音じゃありませんね。
結局、リイシューってこんなもんだよねの音。ジミヘンもどきごっこの小道具。
おや、これでは冒頭に書いたことと同じ堂々巡り、ドグラマグラではありませんか!

80年代や90年代なら、使えるオリジナル、つまりロジャーメイヤー曰く1ダースに1台あるかどうかだった「当たり」の個体に出会うべく、お金と時間を死に物狂いで掛けるという、いわゆるコレクター道というオデッセイ一択だったのでしょうが、しかし今は21世紀です。
先の数多のYouTube動画も、独自に研究している先達の記事もネット上に存在し、アクセスできます。FUZZ FACEに対する肉太の愛=BOLD AS LOVEにアクセス、なんちゃって。

FUZZ FACEの、特にワウとの併用問題解決の手段として出てくる「バッファー」を咬ませるという方法もありますが、色々調べてみるとこれはどうも違うんじゃないかなと。
たしかに現行のリイシューにバッファーを使えばソリューションとしてはありなんでしょうが、リイシューFUZZ FACE自体は使えない代物のままですからね。

EFFECTOR BOOKのロジャーメイヤーのインタビューでは、ジミのFUZZ FACEの回路の手前にあるものを付け加えたとありますが、YouTubeでは本人に聞いたらそんなことはしていないと言ってたなんて話もあります。前者は、それが「バッファー」なのかは不明ですし、後者ははぐらかされたのかもしれませんね。

しかし何でこんなことになっちゃうんでしょうね。
リイシューに関しては、いつかレスポールの回でお話しした、『80年代以降は50年代にどれだけ似せられるかの道に路線変更となり、生きているモノでは無くなってしまった(進化をやめてしまった)』と同じですね。
ルックスもパーツもレイアウトも当時と同じにできたよ。やったんだよ。"DONE"ですよ。
この思考が垣間見得てしまうものはダメですね。なんでもそうですが、大きな間違いの道に逸れてしまうことになります。

さぁ、では我が家の2021年FUZZ FACE Oddyseyはどの道を行きましょ?

先ずはこんなものを買ってみました。
他にも色々。
いかが相成りますか。

そうそう、こんな動画も見つけました!


先日の「ジャッカルの日」もそうでしたが、なんちゅう画質の良さ!
しかも元々16mmフィルムなんですって。16mmってこんなに微細に撮れるんですね。
やたらシンガーの顔のアップばっかりなのは当時のあるあるカメラワークで、バンドの魅力を伝えるってどういうことか解ってなかったんでしょうね。
しかしラザフォードのリッケンバッカーもハケットのおチェリーレスポールもピッカピカですよ!
もっと足元写してくれたら、ハケットのペダルや、mister bassmanも観れるのになーなんて思っちゃいます。
オープニングのMUSICAL BOXでは、クライマックスが爺では無く狐なんですね。
他の動画で観れる有名な爺ヴァージョンでは、歌声も爺聲ですが、キツネさんは普通ですね。
ということは、以前から不思議に思ってた、あのオフィシャルアルバム"GENESIS LIVE"
が、爺では無く至って普通の歌い方だったのは、まだ狐期の録音だったのかもしれませんね。
そういえば、ジャケ写もラザフォード座ってるし。

ではまた!

コメント