鉄っつぁん、鉄っつぁ〜ん!
ん?どうした猫八、じゃなかった久米8でもなくて彦十か、どうしてぃそんな血相変えて、まぁ呑め呑め。今ちょうどこのハマグリが煮えてな。
ハマグリの貝を開けてな、そこから出る汁を鍋に移して酒と水、豆腐とネギと少しの醤油を入れて、いい頃合いに煮えてきたところにハマグリの身を入れてひと煮立ちさせる。
丁度あったまってきたハマグリの身が硬くなっちまう寸前にこいつを戴くのさ。してまたこの汁がなんとも言えねぇ滋味でな、何かオレん中にはねぇもんが入ってくるようで、秘された泉でも見つけたような気分になるなんざ、まさにファウンテンオブユウス。
どうでぃ、さんざハマグリちゃんで若ぇころ苦労したオメェなんかにゃ良くわかるってなもんだろ?
鉄っつぁん、いつからそんなに下品になっちまったんで....
ん〜、鬼平リミックスもたまにはイイもんですね。ということで鉄です。
鉄をお好みのサイズにカットしてくれるオンラインサイトを見つけ、届いた3mm厚のこの鋼板に穴開け角を丸めと、朝も早よから勤しんでいたのは前回の続き、第4の素材として「鉄」を選んだからなのです。
しかしもっと固くて難儀するかと思っていたら、案外加工は楽でしたね。
穴もスパッと空いちゃうし、まるで「一本眉」の気分。 で、なんでさらなる素材を用意したかといえば、前回の「ブラスサンドウィッチ」でバカ鳴りを手に入れたはいいが、「ホクッ」とした音の膨らみがない。
前回は「中低音」と書きましたが、やはりそれは「中音」でしょうか。
ではサンドウィッチの具材を変えてみれば味わいも変わるかえ?と、エレキのハードウェアの鬼素材=鉄を挟み込んでみました。
結果は若干まとまった感はあるものの、膨らみはあらわれず。
ん〜ならば、これも前回ご紹介したメイプル板をさらなる具材として加え、鉄の組み合わせも挟む順番を変えたりしてみましたが、さしたる変化は見られませんでした。
おそらくここではないのだな。
どんな安物のギターでも当たり前のように持っている音のふくよかさ、暖かみが欠けているとでもいうのか。 平蔵が鬼なら俺も鬼っ子よ。なんて、盗人の感じる薄ら寒さ、心にぽっかり空いた穴に隙間風が吹き抜けるような心持ち、はたまた「暗剣白梅香」を思い出したり。でも、ギターいじってる廉(かど)で盗賊改に切られちゃって一話完結でもなく、ここからまたスタートというか、何をすれば求めれば良いのかとロードムーヴィ的に旅が続くなんて、鬼平というよりどろろみたい。
では、ちょっと気分を変えて、
あちゃ〜、エスカッション割れてますねー(ブリッジ側)。
実はこれ、オリジナルのピックアップから付け替え後の写真なんですが、もうだいぶ以前から割れていました。しかし注目して欲しいのはその形状で、エスカッションの穴の角が丸いんですね。
オリジナルのビルローレンスのピックアップカバーが丸いのに合わせて作ったのでしょうが、ご覧の一般的なカバーの角にもなかなか合うじゃないですか。
妙に気を使ってこの角がスカスカに隙間が空いているエスカッションって見た目良くないですよね。でも修理するのもめんどくさいので、汎用のものに付け替えました。一般的なフロント(ネック側)用です。
ちなみに、ネック側には真っ平らな金属製のものが付いているのがデフォルトなんですねー。
これがオリジナルを踏襲して穴無しのものをを誂えて付けたカバーですが、サンドウィッチ盗人奇譚以来、えらく音に神経質なモードに耳がなってしまい、まぁそれもレスポールと比べたりしてるからなんでしょうけれど(いや〜、レスポールってホントにいいギターですね)、カバー無しの赤レスポールと比べると、アタックの生々しさに欠ける!
ん〜、そういえば、PAFプロトオマージュで穴無しカバーにした52年もアタックに欠けますな。
52年はThro-Bakのカバーを元々付けていましたが、アレはメッキやら素材の薄さが音に影響するとのこだわりだそうで、ならば穴無しは作ってないの?とPAFプロトオマージュを行う際に問い合わせたら、ンなもなぁないと。ではと、致し方なしに52年も今回もお手頃な価格の穴無しをチョイスしたのですが、やっぱ見た目だけでは存在理由にはならんな〜。
ダバと、カバーを外して見た図がこれです。
ダっサー!
しかもダンカンのロゴが輪をかけて。やっぱ見た目も大事ね。
またもや工夫のタネが芽生えてきました。
それよりピックアップの出自を説明しろって? ハイハイ。
ネック側はDuncan Jazz、ブリッジはJBという、メーカーお仕着せまんまのチョイス。
といっても悩んだ末のことで、ネックはとにかくナチュラルに、ブリッジは中音意識でってなったら王道で行きますかと。安いしね。
このギターの素性からして、多少色がついても良いのでは?とヴィンテイジギブソン(もう高くて手が出ません)ではなく、あえてダンカンを。
結果として、Jazzは素晴らしいですね。
ホントに素直でクリーンです。コレは正解!でもJBは違うな〜。
色付きを期待したのですが、生っぽい色艶をあちこち抜いて中音域を残したという感じで、ざらついた印象の音でした。
あ、もちろんこのmidnight special(le farfalle nella notte)には合わないって事で、適材適所なのはいうまでもありません(テレキャスターに付けたらどんな音がするんだろ?)。
今更カバーを戻すのも元の木阿弥だし、ダンカンのロゴもろともポールピースまで真っ黒に塗っちゃうのもみっともないしね。ちょっと考えてみます。
ブリッジピックアップはいっそ59とかにしてみようかしら?
つづく
【追記】冒頭の鬼平リミックスの「蛤の小鍋仕立て」(確か出典は剣客商売)はこのブログに何度か登場していますが、ホントに美味しいですよ。コイツでキューッと一杯なんてこたえられません。滋養に良いお汁を取っておいて、このお汁で翌朝ご飯を炊いても朝から悶絶です。
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