We love records!

さぁ!レコードですよ‼

皆さまにおかれましても、この緊急事態において日々のスタイルも変化してしまったかもしれませんね。毎日通勤していたのがおウチにずーっと缶詰なんて状況に様変わり、コンフォートであったはずの自宅において毎日の生活リズム如何にせん。というわけで、生活の中の人間リズムをキープするには、レコードの音が必要なんです!

以前もお話ししたとおり、世界中のレコードマーケット情報が手に入る"Discogs"という危険なサイトのおかげで、オリジナル盤の夢みたいな音やらなんやらの味を覚えてしまったらもうそれは...ということで、ここにきてまたぞろ夢のような素晴らしい音世界にひたりたいのよん!となったきっかけはセルメンでした。

ご覧ください!"Look Around"はオリジナル盤の上に「シールド(未開封)」ですよ‼
してこれがまたスンバラしい音!!!

お隣のなんとEXPO70=1970大阪万博LIVEはまさに夢のステイジ!
太陽の塔や鉄鋼館(でしたっけ?)では武満徹の音楽が鳴り響くのと同じ会場で『ボサノヴァ愛の大使』のオンステイジ!なんて素晴らしいんでしょ!
日本ってほんと素敵な国と思える出来事ですね。


万博じゃありませんが、同年の映像がありました。
ンマー素敵っ!
セルメンのユニゾンヴォーカルの立役者って、ブルネットの方のラニホール(ハープアルバートの奥方)ですが、やっぱりキャレンフィリップだよなー。

セルメンといえば、このアルバムも忘れちゃいけません。
右は、愛しの"Pretty world"が入ってるんですよアナタ!


イイな〜、ほんと夢のように素敵な曲。
で、キャレンフィリップ!指スナップにもうやられます。
ドラムはドンウンホマンなんですね。
ラストのクレジットもニクイですね。

そして写真手前の"Stillness"がこれまた隠れた名盤なんですよ。
ボッサ調とは一味違う、まさにタイトル通りのひそやかなひと時が流れるあたしのお部屋。
この音はぜひレコードで聴いてくださいね。
アナログの滋味がこれ程胸にくるアルバムもありますまい。

そして左は、そうです、アナタのお部屋にジョアンがやってきてすみっこで弾き語りをしてくれるでお馴染みの大名盤ですよね。
本当にこれもやってみてください。アナログの妙味ってのが妄想じゃないことが分かりますよ。
私はお昼の支度をしながら聴くのが好きです。

さぁお次は、
ボクちんの好きなフルートプレイヤー、オーレルニコレとクリスヒンゼです。
左の日本録音のバッハもいいですよ(ホントはアルヒーフのバッハアルバムを注文したのですがベルギーの業者が郵便局に持って行ったら今日本へは送れないって言われたそうですトホホ)。
右は武満徹の作品集で、ハインツホリガーなんかとの録音に、ニコレのために書かれた"Voice"が入ってるんですよ。

『この作品は私からこの音楽家への個人的な贈り物として作曲された。最近の私は、楽器(という媒体)と演奏という行為を、抽象的な置換可能なものとしてイメージすることができなくなっている。このことはまた、音楽が実際に演奏される場所・空間についても言及しうることであって、持ち搬びのできる機能的にコンパクトされた記号の累積として、音楽を私は作曲することができない。音楽を演奏する具体的な肉体と、それが演奏される具体的な空間を除いて成立する音楽 ー 現在の私にはそれは考えもつかないことだが ー というものが、果たして真の普遍性を獲得するであろうか。』ー武満徹

さすが武ちゃんわかってんじゃん!
ね、だったらニコレの演奏で聴かなきゃウソでしょ。

ジャズ系のクリスヒンゼはバッハものも素晴らしいのですが、このアルバムも素敵すぎます。
ねー‼

さぁどんどんいきましょう!
武満さんが出てきたところで、現代音楽の皆さん。
左はクセナキスと先日亡くなったペンデレキ。
右はメシアンとクセナキス。そう、クセナキスですよ!やっぱり。

クセナキスの音楽はたくさんYouTubeにも上がっていますが、あの誰も想像し得なかった音世界はやっぱレコードで聴きましょうよ!

手前は武満徹。「弦楽のためのレクイエム」「地平線のドーリア」名盤ですね。
たまに聴くと、オレ日本人、昭和も江戸も令和も前も先もオレは日本人、だからここに居るってひしひしと感じ入って、それが誇らしくも思えるのは、さっきのセルメン万博とまた同じ「嬉しさ」がたまらなくこみ上げてくる不思議なんですね。

こちらはクセナキスと武満のお友達写真
なんて素敵なんでしょ。
Pretty worldですね。

はい、オリジナル盤との聴き比べも行ってみましょうー。

左が数年前に手に入れた日本盤アナログ。
CDは昔から聴いていたのですが、やっぱり好きなアルバムはレコードで持ってなくちゃと見つけた中古盤だったのですが、
?、音イマイチじゃね⁇ 
とそれっきりしまいっぱなし。
して先日とあるレコード市で500円で手に入れたのが、右のオリジナルUS盤。
スタジオ録音とLIVEが入り混じってる作品なのですが、日本盤の方はそのそれぞれで音質がバラバラ。
しかもLIVEのオープニングを飾る”CARNAVAL”の歌詞を覚えようと歌詞カードを見たら、スペイン語部分はなんと「SPANISH」と書かれてるだけ。
おいおい、「バ〜モノス」の後が知りたいんだよ〜。
というわけで、歌詞はめでたくネット検索でき、見事500円のオリジナル盤は素晴らしい音!

ちょうど同じ時期のこのLIVEも大好なんです

6:48~のDance Sister,danceにご注目。

クリクリ頭にでかいサングラス、まるでオカマバーのママみたいなサンタナのルックスも珍しいですが、ここでの白眉はDance〜の後半部、アルマンドぺラーサが前に出てきてボンゴを叩き鳴らしている横で、なんとカルロスママの、電気菩薩(©勝新)=宇宙と交信する様を見ることができます。
お得意のロングフィードバックを決める瞬間、こればっかりはうまくいくかどうか祈るような気持ちで胸に手を当て、アンプの方を向きチャネリングをする姿は崇高ですらあります。

写真手前のアルバム「魂の兄弟」も一緒に聴いたりしてたのですが、サンタナのフィードバックに魂を持っていかれるような感覚って、コレなんですね。
ロングトーンを放出したギターの音がまたギターに戻ってきて永遠の循環を始めると、その場の空気のみならず、宇宙全体にこだまするかのように響き出す。
こんな特別な感覚=宇宙との交信を味わえる経験はギター弾きの特権でしょうか。
みんなも真似しましょう!

LIVEものが続きます。ELPは3枚組なんで、滅多に通して聴いたことがありませんが、不思議とあっという間に聴き通せちゃいました。

1974年のLIVE映像って、CalJamくらいしかありませんので、同年のどこぞのLIVE音源で。
「エルサレム」イイですよね〜。コレは一緒に歌っちゃうなー。
果たして日本がエルサレムとなりますかどうか。

ユーライアヒープの方は、ベストメンバーのベストな時期のLIVE。

でLIVEつったらこれも出さないとね。
左が日本盤で、右が、厳密にいうと1stプレスじゃないんですけど英国オリジナル盤。
でもこの場合は日本盤がオリジナルですね。
日本のスタッフが録音して日本で先に出したんですから。音もその通りで、どちらも優劣つけがたいすばらしいもの。
レコードの良さはLIVE盤がよく分かるとこれまでも書いてきましたが、針を落として、オープニングのサウンドチェックの音から歓声がふわぁ〜っと上がってくるところの生っぽさって、CD(色んなの出てますが)じゃ味わえませんよ!是非お試しあれ。

おっと、またまたこちらもROCK史を刻んだLIVE大名盤ですよ。
左は、Jimiが次の時代(70年代)へと帆を進めた一皮向けた新しい音楽がたっぷり詰まってる作品ですが、翌年没とは何とも残念。

MC5はもう何も言いますまい。久々に通して聴いたなー。
オープニングのアジ演説からStarshipまで素晴らしい限り。
ちなみにアジってるのはこの人だそうです。
クレジットは「スピリチュアルアドヴァイザー」となっていますね。
そしておまけ映像はこちら。


例の「ビートクラブ」の本番ノーカット版(!)はまだYouTubeで確認することができません(ドラムがグラサン外してて黒Tシャツのヤツ)が、この映像のテンションはすごいですなー。みんなの憧れです。

さ、本日の締めはおフランスものです。

右のフランソワーズアルディも左のイザベルオウブレもどちらも70年代のアルバムですが、あの頃の良かった時代というより、生でおフランスものの良さをひしひし感じられる今日の春の暖かな午後といったところでしょうか。

二人とも声が素晴らしいですからね。

イザベルオウブレは、コレとよく似た赤ジャケのブラジルカヴァーが有名ですが、こちらは自身の歌を含め、シャンソンフランセーズ名曲集といった趣き。
1962年ユーロヴィジョンでグランプリとなったデビュー曲「はじめての愛」をセルフカヴァーした1973年版のアレンジが実に素晴らしいんですが、YouTubeでは発見できなかったので、皆さんレコード探して聴いてください。ラストはゲーンズブールの「枯葉に寄せて」。

手前のミシェルフガンはフリーソウル好きにはお馴染みの、私も大好き名盤です。

では、これもブラジル名曲カヴァーのこの曲で締めくくりましょう。
何と素敵な1日。皆さんも棚からレコード引っ張り出して聴きましょう!リアルな音の存在にハッとして、生身の自分に帰れますよ‼

コメント