前にも紹介したコラム「歴史と伝統の英国サウンド 」
で、"RANGEMASTER"の紹介がしばらくありましたね。
あ、でもその前に、上でリンクしたロバートフリップとHIWATTの特集回には期待したのですが、さして中身のある話ではなく、後半はハイワットの話はどこ行った?ってな具合だったのでちょぴっとガッカリでした。
もっとも『DR103。これ以上何も言いますまい』となるのが究極のハイワット論と言われれば、至極納得してしまうのではありますが。
ということで"RANGEMASTER"の回はとても興味深く、見たことも触ったことも無かった、でもあの時代に使っている人がいたというのは知ってるという、伝説のデバイスについて大変勉強になりました。
『トレブルブースター』といったらマクソンの、アンプにガチャンと差し込むタイプしか思い浮かばず、んなキンキンにばっかりしちゃってもしゃぁあんめぇ、ヌケを求めるのは解るけど... というのが以前のイメイジだったワケです。
しかし例のコラムを読んでみると、なるほど『ギター』に関してのオイシイ帯域を持ち上げてくれるものであり、けっして高周波キンキンだけのものではないのかなと。
いかなる高名なアンプとて、はたまたスタジオに行って何じゃこりゃというアンプを使わざるを得ない時にさえ、かのRANGEMASTERクラスのトレブルブースターはバッチリ良い所をブロウアップしてくれるという誠重宝この上ないものであると言うことなのですな。
『音ヌケ』と『オイシイ帯域』、この2つであります。
『音ヌケ』に関しては、もうかれこれ20年くらいは色々言われてから経つんじゃないでしょうか。
「トゥルーバイパス」が実は手軽に出来ることだったりするのを知ってからは一気に広まり、一時はあのボスのペダルスウィッチに穴を開けて機械式スウィッチをニョキッと生やすなんて異形のものも横行したりしましたね。
そうかと思えば、ギターとアンプ、またペダル間を繋ぐシールドケーブルをしっかりしたもの(プロ現場で定番のもの)にして、先ずはスタンダードをちゃんとするまでは良かったものの、アホオーディオ並みの高級(?)ケーブルなるものまで闖入し、『方向性』とか待ち出す始末で、どんだけ中年ギターファンは騙され易いお人好しばかりになってしまったの?あんた等ロックスピリッツに何を学んで来たの?といった事態まで招く様になり、一体、『音ヌケ』って何よ?と行き着く所まで行ってしまった感があります。
ただ単に高域が潰れず出まくればイイってモンじゃないのよ!ということを、このRANGEMASTERという古(いにしえ)のデバイスが教えてくれる事によって、上記の様な騒動が鎮静されることを願って止みません。
『オイシイ帯域』もしかり。
「ここに知恵が必要である」というやつですな。
「では殿、早速我が家にもそのブゥスターなる機器を導入して」とオツムの中の爺が囁き掛けたその刹那、
「爺待て、余のデバイス群には斯様なる素性のものが居らぬか?余がこの数年、寝食を忘れ費やして来た日々において、斯様なものを勝ち得て来なかったか?」
「何を仰せられます、ウマいものには目が無く、時を無視してまでも飲食をむさぼり続けた結果がそのお姿でございますぞ。寝食を忘れてなどと、その見事なぽんぽこ腹をご覧なさいませ。」
「ええい、そのことではない!自ら手をかけ愛でてきたものの中に何か答えが無ければ、余が行うてきた政(まつりごと)とは、ヴーヴクリコの泡の如く儚く消え去ってしまうものとなるではないか。探せ、探すのじゃっ!」
という脳内寸劇が一瞬に駆け巡った結果、
ありました。
そうです、エコープレックスEP-3です。
久々に引っ張り出して来てハイワットに突っ込んでみたところ、
オーマイ!
そうですよ、見事に『オイシイ帯域』を持ち上げてくれます。
旧ブログでも書きましたが、エコープレックスのこの効能はいわゆる『ブースト』=音量、出力の増大と言うことではありません。
『オイシイ帯域』をくっきりさせてくれるとでも言いましょうか。
じゃあ『音ヌケ』はどーなんだよー?エコプレの効果って「トゥルーバイパス」じゃないから生まれるもんだろ?
その通り、エコープレックスに音ヌケを求めるのは少々筋違いです。
では、何で音抜けしたかというと、このブログの"ampeg"カテゴリー
やっぱampegでしょ!その2にある、
『パッパ』の章をご覧下さい。
そこに書かれてある通り、ampeg B-25で初めてKT-88サウンドを体感し、目から鱗が落ちる体験をしました。
そしてその後手に入れたHIWATT DR-103では、その素性のものすごさに圧倒され、さらにパワー管をEL-34からKT-88の親戚、6550にチェンジ。
もちろん、ギターの鳴り=各弦の分離の良さとかも重要に関わってきます。
最初に紹介したコラムにもある通り、私のHIWATT DR-103(1972年製)のプレートにもしっかり"AP(All Purpose)"が刻印されています。
つまり、DR-103はギターでもベースでも何でもござれなアンプな訳です。
もちろん、DR-103の武器であるマスターヴォリュウムやプレゼンスで如何様にもセッティング出来るのですが、そこに(元々ギター専用ではないはずの)EP-3を加えればさらにギターにオイシイ帯域を際立たせてくれるのですから、殿の政は決して無駄ではなかったのです。
よって、この上いじったりナニしたりする必要なしということ。G.A.S.の発症することも無しですな。
さ、呑んで寝るか。
ギター弾けば?
コメント
師走の混雑にささくれ立った心が
和みました。ありがとうございます。
鬼も笑うかと思いますが、
来年度も男の花道を邁進されることを
願ってやみません。
あ、私GAS完治か?と喜んでおりましたが
更年期障害かな?とも疑われており、
こっちの治療すればGAS再発かも(笑)
悩ましいところです。
そうそう、P-VINE三兄弟の様な丸ペダルステキでしたね。健康に気を使うのも色々ですが、GASのように吟味に吟味を重ねたり、ポジティブ直感で行ったりするとこれまた楽しですよ。
では、良いお年をお迎え下さい。