何でしょうこれは。
色々あれこれやってきて、全てがクリアになったとでも言うのでしょうか。
んーにゃ、まだまだ目に見えぬ何かのシミツを探ろうとのことでしょうか?
で、何かというと、
前回欠け部再生を行ったマスタン子ちゃんヘッドの仕上げで使用したスプレーがこれです。
これなんと、100均で購入。
出た出た、またなんで「貴重ヴィンテイジネック」とか言っておいてんなイイ加減なもの使うのよー!
もっともなご意見ですね。
いつもなら、というか今まで過去にご紹介したリフィニッシュ作業で使用していたのはこちら。
シントーのカラースプレー。
右が現在のパッケージですが、溶剤を変更した?のは解るのですが、なんでこんなにダサいデザインにしてしまったのでしょう?
いかにものパソコン仕事。左の四半世紀変わらなかった永遠のアノニマスデザインをなぜ引き継がなかったのでしょう?
なんのこと言ってるのって?
例えば「カラースプレー」の文字を見てください。
右はただのあり物「フォント」ですが、左は「デザイン」です。
ああ、またこうして文化が失われて行くのだ...
まぁそれを嘆いて100均にしたわけではなく、このシントーカラースプレーは手に入れるのにちょっと苦労するのですな。
ホームセンターでもなかなか見かけないし、amazon他でも結構送料がかかって非常に不経済です。
でも決め手は価格だけかというとそうではなく、何気に100円ショップで手に取ったスプレーの成分欄がこちら。
なんと!「ニトロセルロースラッカー」なの?
シントーの成分は、
ほぼ同じ!
なら使えるんじゃん?となったわけで、「アルキド」と「アクリル」の違いをその場で検索すると、
『プロはアルキドなんか使わねーよ』なんて結果が。
まぁ、インじゃん?
と、総額216円のところ『袋要りません』と言ったら214円になりました。まーリーズナブル!
「なんちゅーセコイやっちゃ」なんて言わないで!
生活厳しくともこの趣味はやめられず、やりくり大変なのよ。
で結果としては、シントーに比べひと吹きで結構厚盛り塗膜ができて簡単ねー。
乾いても綺麗なので、水研ぎもしなくてイイでしょ。これもアルキドのおかげ?
でも、プロは使わないという「アルキド」ですから、1ヶ月後にはクラック入りまくりだったりして。
ま、そん時はそん時です。
仕上げといえばこちらは良い例?
我がマスタン子'69ネックの手に入れたばかりの時のフィンガーボード。
60's前半のハカランダに取って代わってのインディアンローズウッド(確か)のいかにもの佇まい。
こんなにココア色なんてどっかのレスポールみたいと、渋々レモンオイルをぶっかけてみたらあなた、
みるみる黒々と化して行くではありませんか!
遠目にはこんなに立派な竿に。
ということで、2つと無い仕様となり申した我がAntiguaマスタン子ちゃんですが、今や外見からは解らないネックジョイントの工夫について今回はご紹介しようと思います。
そうです、今までがイントロだったのです。
ちなみにこのネックの、ボディとの接地面はこんなことになっていました。
外側の四つがオリジナル(左下だけなぜか青い樹脂で埋められていました)。
明らかにマスタング、もっと言うとFender以外のボディにマウントされていた事が伺えます。
どこぞの自棄のヤン八が何を嘆いたか、ステイジで1969 FENDER MUSTANG COMPETITION ORANGEを鬼の形相で打ち壊した現場に居合わせた小僧の誰かさんが、「持ってっちまいな」とか言われて、嬉々として持ち帰ったネックをなにがしかのボディにねじ止めしていたのでしょうか?
かも知れませんねぇ。
ともかく収まるところに納まった(?)と自分では思ってるのですが、実はネックエンドの厚みが元のネックに比べて若干薄めなのか、そのまま取り付けたところブリッジを目一杯下げてもアクション(弦高)がバッチリ行きません(高めが好きな私でもちょっと高い)。
定石通り行くと、ここはシムでしょとなるわけですが、ネックとネックポケットに異物(シム)を挟んで仕込み角度を調整するのって、どうも生理的に好きになれません。
白ストラトだってマイクロティルトやめて結局4点留めにしちゃったしね。しかも結果には満足してるし。
ま、とりあえず簡単にできる調整とはシム以外には無いため、あまり気が進みませんがやってみましょー。
先ずはステンレスの薄い板。ちょっと厚みが足りないかなぁ?
で結果は、
なんか音変わっちゃいますね〜。
危惧していた通りというか。
じゃ、シムの材質を変えてみましょう。
マーチンのデルリンピック。
あわれ真っ二つですが、音はさっきのステンレスよりはちょっとマシかな?
じゃ、いつも使ってるピックにしてみましょか?
他のピックと違う響きが気に入ってるので材質としてはインじゃん?ザラザラの滑り止めと先端の厚みの差がいい傾斜じゃん?などと無理やりな理屈を自分に言い聞かせて、
うわっムゴイですねー。
で結果はマーチンとあんま変わんないかなぁ?
やっぱシムダメじゃん?
どうなんでしょうねー。
『FENDER初期のネックエンド"TG"鉛筆書きイニシャルでおなじみのタデオゴメス氏は、シムを挟むようになったのに嫌気がさしてFENDERを辞めた』とか『そもそもオリジナルはシムなんぞ入ってない。ネック起き対策としての後付け』とか、いろんなご意見、都市伝説が現在ネット上には散見できますが、これもどーなんでしょーねー。
ならば、シムの最終兵器?
こんなものを取り寄せてみました。
要はするに、ネックポケットを角度付きに加工したと同じ効果が得られるという、なんで今まで無かったのかな?といったアイテムですな。
これは現場写真なしですが、さっきのステンやピック人柱より断然響き(生鳴り)良しです。ネックがもれなくネックポケットへ接地するとはやはり効果大だし、異物感もかなり薄れて生理的にもイイな。よし、やはりこれで行くとするか。
むうぅ、ならばネックポケットを角度付きに加工してしまえば良いということでは無いか?異物に疑いがあるなら何故そもそもの構造を見直してみないのだ?あれやこれやと異物の材質や形状などという事にこだわり、またしてもお前は物事の本質を見失っていたということだ。どうじゃ、士郎!
あ、すみません。魯山人が飲んでいたという美味しい日本酒をいただいてしこたま呑んでしまったもので、どうも海原雄山(声:大塚周夫)モードになってしまいます。
では、雄山の仰せの通り、今一度ネックポケットを調整する方向へシフトしてみましょう。
さっきのStewMacシムの厚みからどうしてこうしてなんて何かしらの計算をしたような記憶もあるのですが、ネックポケット底面エッジからほんの少し下がった黒線のところまで、ネックエンドからこちら側へ傾斜する底面を形成しようという訳です。
ただこれ、あまりやりすぎ(削りすぎ)ちゃうと音が変わっちゃうとのことなのですが、ま、これくらいだったらイイでしょ。
そうそう、塗装やら凸凹も削ってこんな風に真っ平らにするのももう一つの目的。
しかし、この木目はアッシュなのかなぁ?
60年代のマスタングのボディはポプラのみだったそうですが、70年代はいくつか種類があるとか。
このボディも重めだしね。
やっとこ角度もついて、いつかどこかで読んだネジ穴の面取りも行いました(ネック側もね)。
さあ、でどうなっかたかというとこれがあなた、生鳴りバッチリですよ!
ボディも以前に比べ鳴っているように思えます。
前回のヘッド欠け部再生より、今回の方がよっぽど気を使いましたね。
おウマちゃんのエンブレム輝くヘッド(顔)より、ネックジョイントという見えないところに肝心あり。
またしても「大切なことは目に見えない」ですかな。
こちらもそう。
一見普通のエビちゃんですが、ある日の行きつけの立ち食い寿司で、箸休めにと出していただいた甘エビのミソを実は板さんが見てない隙にエビとご飯の間にぺろっと仕込んであります。さあ、そしてこちらをいただいてどうなったかというと、あまりのウマさに空中浮遊しました。靴の底が床から5cmは浮いていたような...ってまぁ、今回はこの辺で。
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