月毛の馬




はっはは、
我が愛でアコギ、FENDER社製 PALOMINOでございます。

"PALOMINO"を紐解くと、
『亜麻色の尾とたてがみをもった黄褐色の馬』
とあります。
日本では『月毛』の馬と言うそうですな。
月毛の馬、といえばその昔『付き馬屋おえん事件帖』という時代劇がありまして、何の回かは忘れましたが、「付き馬並びに仕置人」が裏稼業の山本陽子が表で商う仕出し屋で、その女中が楽しみにしていた芝居を稼業の(表か裏の)事情で観に行けず、口をトンガラしてブーたれる姿に、『辛抱おし!』と叱りつつなだめるシーンが妙にインパクトがありまして、『ああ、躾とはこうするものなのだなぁ』と当時感じ入って以来ずーっと印象に残っていて何かにつけ思い出したりするのですが、普段の食費や酒代の度には登場してうまい具合に躾けてくれるのですが、GAS(gear acquisition syndrome)発症時には山本陽子の美貌をもってしても敵わずというのを何年繰り返してるのじゃオノレは!
進歩ないですねー。

ということで、なーるほどルックスライクな呼び名こその60年代FENDERの隠れた逸品でございますが、貴重な休みに何をしていたかといえば、ご覧の後付けピックアップ、

そう、DeArmondのこれまたヴィンテイジピックアップを標準装備仕様、ステイブルなものにすべく苦心惨憺しておりましたのさ。

ご覧の通り、DeArmondからは直接ケーブルが伸びており、まぁ、先っぽはこの様な

しっかりしたプラグが装備されているのではありますが、サウンドホールからベロベロ伸びたケーブルの始末にいつも難儀し、いっそこのPALOMINOにジャック穴空けてインストールしちゃえばいいんじゃん?というのをしばらく前から思いついていたのを思い出しました。

ということで、旧々ブログアーカイヴからPALOMINOの記事を引っ張り出して、このブログにも貼り付けることにしました。
ブログの「ラベル」"PALOMINO"をクリック頂くとまとめてお読みいただけます。

ひゃぁ、もう6年前から悶々としていたのですな。
で、今回の試技の肝は、
?ボディ内ケーブル這わせジャック装着
?厚味のあるピックガードはどないするんじゃ?
です。

?に関しては、ジャックとケーブル間にコネクトプラグを増設し、サウンドホールから適宜ピックアップを除去できる仕様も考えましたが、確かに生サウンドの変化はあるとはいえ、ピックアップを通した音のミリキが今回のNo.1プライオリティだったため、そのままジャックへ半田付けすることに。
旧々ブログも書きましたが、ケーブルはもともと付いているものを短く切ってそのまま使用することに。
半田付けのためにケーブル剥いたところでこの判断はやはり間違っていなかったことを確信。


判ります?
シールドの網線の目がすごく詰まって細かく編まれています。
こんないいケーブルをむしり取ってしまう手はないでしょう。

ケーブルがボディ内部でカタカタ言わないのを確認し、割りと大雑把に長さをカットして無事配線完了。


ギリギリサウンドホールから手の届く位置にジャック穴を空け装着。

そして?は何がそんなに大事なのかというと、PALOMINO始め、この頃のFENDERアコギのピックガードは、3プライの超厚手の上に裏にフェルトのクッション付き。
DeArmond装着時には必須となる「サウンドホール越しピックガードごと挟み込み」を行うと、1弦側が弦に近づきすぎてしまうため、いかなるソリューションをもってして行うのが最善かとこれまた何年も心の隅に引っかかっておりましたが、今回『DeArmond装着標準仕様』とするなら思い切ってピックガードを加工してしまえ!と下図のようになりました。



ピックアップの位置はハーモニクスポイントとどの様にすれば良いかなどという理論は持ち合わせておりませんが、ポールピースの間隔からして斜めにすることは必至ゆえ、アンプで音を出しながらまぁこの辺かなと。


ん〜悪くないじゃん?


実はこのVIBRO CHAMP(69or70年製)、VIBRATO回路は撤去、代わりにプレゼンスコントロール化、トーンコントロールもBROWN TOLEX期と同様に改造してあるのです(どーやったかほとんど覚えてませんが)。
PALOMINO w.DeArmondと良いマッチングですよ。
そしてもち生音も素晴らしいのです。
コチコチのメイプルネックはGIBSONのマホガニーとはまた違った趣きなのですが、このギター良く鳴るんですなぁ。

ちなみにですね。

私のこのPALOMINOはボディのバックとサイドがサンバーストになっています。
実はこの仕様、滅多に見かけることがないんですね。

購入時にもほぼ同時期のもう1本(バック&サイドはナチュラル)と弾き比べて断然こちらのサンバーストの方が音が良かったので選んだんだよなぁ。

オマケの話で、上の写真にある通り、アコギと言えどもネックはFENDERならではのボルトオンな訳ですが、

ネックエンド(ボディと接する部分)はまるでストラトやテリーのような厚さしかありません。この辺もボディ厚と同等にヒールを稼いでジョイントしている一般的なアコギとの大きな違いですが、では、どうやってこの薄いヒールのネックをネジ止めしているのでしょう?

答えは、ネックに届くほどの長〜いネジで止めているのです。
以前試しにネックを外してみた際、ズルズル〜っと超ロングサイズのネジが出てきたのを見て、『イイなぁ〜』と暴れん坊将軍のラストシーンのような爽やかな笑顔がこぼれたのを良く覚えています。

久々に機材いじりに集中できて余は満足じゃ。
他にも色々やってたのですがそれはいずれまた。

遊びというのは虚のもの
学校じゃ教えない ツヤの具合

志ん生さんの「付き馬」を久々に聴いて心にとまったイイ言葉。

コメント