麗しきアンティグア、我ら汝に敬礼せん

我がマスタン子のカラーは、ご紹介の通り『アンティグア』。 

この辺の色合い、たまりませんねぇ〜。 

で何が良くわからないのかというと、『アンティグア』の名の由来はもちろん、カリブ海に浮かぶ島で遠浅の白い砂浜とその周りの青い海のコントラストが何とも美しい位は私でも知ってます。

でも、このFenderのカラーリングでは、その白い砂浜〜遠浅部分が内側で外側が濃い色とは、ボディの形状からしてそりゃ反対なんじゃないの?しかも濃い部分は青じゃないしね。と単純に昔から思っていたわけです。 

チミも詩人じゃないねぇ。
あの美しきアンティグアアイランドのグラデーションを『詩的に』ギターで表現してみたということでしょうが。

そうですね。だからこその魅力であるわけですな。 初めてFenderのアンティグアと出会ったのは今から四半世紀ほど前でしょうか。

友人と組んだバンドの練習で通っていた池袋ペンタスタジオのガラスショーケースに、ある日その見目麗しいFender Antigua Stratocasterが『売りたし』として登場したのです。
売り値9万円。
 白い白いメイプルネックに今まで見たことのないグラデーションがかかった『アンティグア』カラーのそのストラト('78or79年製)はたちまちとしやくんの心を掴んでしまったのでした。 
以来眠れぬ夜に七転八倒の日々を過ごし、何とかお足を工面し練習日でもないのにペンタの階段を一気に駆け下り、『あのストラトまだありますかっ?!』と鼻息荒くカウンターでまくし立て、諭吉9枚(今のとちょっとデザイン違うのね)を叩きつけてソフトケースに入れたそのストラトを肩に一目散でお家に帰ったのでありました。

 当時すでに例の白いストラトは所有していたのですが、全くキャラの違う低音がドバッと出る『まるでグランドピアノだな』のアンティグアストラトは、ampeg VT-40とのコンビでバンドで大活躍したのでした。 

しかしその後、100Wのampegサウンドがどうしても欲しくなり、御茶ノ水クロサワ(あの2階ね)でV-4ヘッドの頭金になってしまったのはちょっと切ない思い出でした。あの時の『うわっ!アンティグア様ですか〜!!』とおっしゃった店員さんの言葉は今でもよく覚えています。 

それから時節は流れ21世紀も結構過ぎた頃、突如麗しのアンティグア様の思い出が蘇ってしまい、やっぱりあれは特別だったよなぁなんてネットをさまよって、めぼしいものにはにブックマークを入れ見返す日々。

ならばと、近場のショップでそこそこ標準価格の同時期アンティグアストラトを何本か試奏してみたのですが、「あれっ?こんなんだっけ??やっぱこの時期のストラトは難しいなぁ」と何だか我に返ってしまったのです。

やはりかつての麗しき恋物語を今一度と思っても、それは叶わぬ夢なのねーなんて妙に感慨にふけっていた時に出会ったのが、このところご紹介しているマスタン子ちゃんなのです。

「スゲー!マスタングでアンティグアなんてあったんだ。しかもハナっから4点留めだぜ!!」なんて幾つになっても鼻息が荒くなってしまって、同時期マスタングとしてはちょっぴり高価でしたが何とか手に入れたのでありまする。
 まだ焼け過ぎていないアンティグアカラー=少しだけ黄ばんだ、全体がちょっぴりグリーン味に寄った色調が丁度いいんですな。
やはりその状態がアンティグアの魅力的な姿としてデフォルトで刷り込まれちゃってるので、ミントものの一切黄ばんでないやつってちょっと苦手です。
リイシューなるものも限定で出てるそうですが、現在の塗料じゃそりゃ黄ばみグリーニーの変化なんて一切起こさないでしょうし、もともと興味もないですしね。
でも今後真っ黄色に焼けてきちゃったらどうでしょう?

下の写真はストラップピンの位置で塗装がチップしている部分のアップですが、
ピンボケ失礼。

中央の茶色は木部、白は下塗りか遠浅の砂浜色、その上がアンティグアの濃い方の色(島の土地の色?)の塗膜ですな。
そしてその周囲に広がっているのが、色焼けした状態です。
トップコートのクリアが焼けてるというより、ポリエステル塗装の島色の表面が焼けているといった趣のようですね。
 ということは、今後もし色焼けが進んでしまったらこの分厚い塗膜を少しだけ削っていけばオリジナルカラーが出現?なんて考えましたが、アンティグアはグラデーションの部分が削れて無くなっちゃうんでしょうからこれはいけません。 
UVカットのクリア塗料なんてものがあれば今のうちにやっとこうかしら?
ピックガードも削れてきちゃうでしょうからね。

 では"Antigua"の名のつく名曲を。

このジャケの緑色は日本盤のみのデザインだそうですが、やっぱオリジナルの赤より断然こっちだよなーという、クラウスオガーマンの清涼感にあふれたアレンジにどんぴしゃりな日本のいい仕事。 

デズモンドいいっすねぇ〜!この柔らかい音色はこの人の代名詞。
ギターのジムホールもいい仕事してますねぇ。
最近めっきり肌寒くなって来ましたが、もっと寒くなった冬に部屋を暖かくして聴くボッサもなかなかですよ。 
そういえば、さっきのマスタン子の写真って、ネックのハイフレットの両側に何かついているように見えますが何でしょう?さぁ何でしょうねぇ?気が向いたらそのうちご紹介しましょう。
 今回は最後もおとぼけでこりゃまた失礼。 

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