ワイヤ、ワイヤー、ワイしかおらんのんか?んな事してんの。
ということで、ワイヤーです。
もちろん、こんなドラム巻きごと買ったわけではなくって、4.5m。
もう最後のストックだったみたいで、直後にebayでソールドアウト。
んで、何のケーブルワイヤーかと言えば、Gibson社で歴代使われてきたという"ALPHA"ブランドのもの。
もうebayの購入履歴ひっくり返しても商品説明が出てこないので、はっきりはわかりませんがこちらは多分70年代製。
買ったのは何と一昨年で、いつかやろうやろうと思っていたのが、我が家のレスポール軍団(といっても2本しかないけど)の配線リニューアル。
ピックアップからコントロールキャビティに行ってそこからトグルスウィッチへ、トグルスウィッチからアウトプットジャックへとレスポールのボディ内を斜め横断で行ったり来たりしてるシールドワイヤーケーブルをまるっと取り替えようという寸法。
1.5m単位での販売だったので、レスポール2本分で4.5かなと。
はい、先ずは52年レスポールのピックアップからですよ。
もう取り替えた図です。
いわゆる「ステッカーナンバードT-top」というやつですね。確か60年代の後半から70年代中盤までのタイプ。
ステッカー(パテント番号)つったってほとんど剥がれちゃってます。
最後の"O"と下二桁目の「4」のみ確認できます。
カバー取るとこんな感じ。
見辛いのでなぞってみましたが、ボビン中央にそれぞれ"T"の字と、丸印にはウンモ星人みたいなマークがあります。
アッセンブリーできましたよん!
ボディのPOT穴をトレースしてダンボールに穴を開け、配線用テンプレートとしました。
なぜか?
ポットの首もフツーの長さ(短さ)だし、70年代みたいにアルミのプレートにまとめてあるわけじゃないので、結構深く収まってます。
ので、お分かりでしょうか?写真手前側のフチに「コゲ目」が見えますね?
コレは、購入当時パーツも全てオリジナルの、いわゆる『ハンダヴァージン』だったこの個体をさんざんいじくり回した悪いヤツ=わたくしめが、アッセンブリーを外さずにハンダゴテを突っ込んだりしたもんだからご覧の有様です。
何ちゅー悪いやっちゃ‼
ま、そんなこんなでポットも4つとも新調して、レスポール標準の500kΩ(CTSのAカーヴ)でそろえました。
し か し. . .
んー、ちょっとvolumeガクッと落ちすぎー!前の方が良かったー‼
というわけで、volumeポットは今までつけていたものに戻しました。
どこで買ったのかも覚えていませんが、これ、300kΩなんですよね。
カヴァにはGibsonの刻印もあります。
カーヴは何だかわかりませんが、これがスムーズにvolumeが落ちてくれるんですよね。
しかも、トルクが軽い!スイスイ回せるのも大きなミリキです。
レスポールは500k!という定説って何なんでしょうね?
先ほどご紹介したステッカーナンバードT-topハムバッカーも、手に入れたときにはすでにケーブルは付け替えられてたし、以前自分で全て配線やり直した時も、WesternElectricの単線にアミアミシールド被せた自作シールドワイヤーケーブルにしてみたりと、ごちゃ混ぜ感あふれるコントロールキャビティでしたが、こうしてAlphaのケーブルで統一するとスッキリしますね。
じゃ肝心の音はどうなのというと、さすがにWesternElectricには負けるべ?と思っていたら、なんのなんの!
実にスッキリした音が出てこりゃまたビックリ‼
やはり、単線より「より線」の方が合ってるんですかね?
あ!ちなみにこの直前までは、アッセンブリーが「モダンワイアリング」、つまり前回ご紹介した「50sワイアリング」ではない、volumeポットのピックアップ入力端子にtoneコンデンサーがつながれている状態だったので、こちらも「50s」に戻しました。
何つったてホントの50sギターですからね。バンブルビーは、ただでさえvolumeを落とした時のハイとミドルの残り方がナイスなコンデンサーですが、「50sワイアリング」にすることによって、よりその効能が発揮される=実に自然に、そして300kポットのスムーズさと軽さで気持ち良く音量を変えられるようになって何よりです。
ウレシイですね。
ウレシいついでに気分もイイので、せっかくの機会ですからキャビティ各部の写真もアップしておきましょう。
トグルスウィッチ格納キャビティですね。
せまい!
そうなんですよ。
配線済みのスウィッチを仕込む時も、端子が周囲の壁に当たってしまったり、ならばと端子をひん曲げたら今度は端子とシールドアミ線が触れてショートしてしまったりと大変でした。
こちらがトグルスウィッチ。
もちろんノブもオリジナルで、この写真だとわかりづらいですが、頭が少々平らなタイプです。
で、このノブが全く外れないんです。
思いっきりヒネっても微動だにしないのでそれ以上やるのやめました。
盗難防止で接着剤等でくっつけたのかしら?
これの色合いとかはリプロじゃ再現できないでしょうからね。
で、そのスウィッチの内部、
接点をつけたり離したりする部分、これ何でできてるんでしょね?
今は大抵、白いナイロン等の絶縁体がついていますが、これは木にも見えますね。
お次はコントロールキャビティです。
貫通したキャビティ加工の分厚いマホガニーにメイプルトップを張り合わせてあるのがよくわかります。
左側の四角い穴は、ピックアップやトグルスウィッチからのケーブル用ですが、すると上側のトンネルは一体何でしょ?
これは、52〜3年のトラピーズテイルピース期特有のもので、ここからボディエンドへ向かって掘られた溝に、アースケーブルを通し、エンドピン側にあけられた穴から出したアースを、ボディとテイルピースで挟むという寸歩なんですね。
ケーブル溝は、メイプルトップを張り合わせる前のマホガニーにこの様にスパッと四角く彫られており、当時はロングドリルで一気に貫通なんてやってなかったんですね。
ネック側のvolumeとtoneポットの位置は傾斜をつけてさらに一段深く掘り込まれています。
これは、メイプルトップのカーブに対応したもので、やはりポットのシャフトが標準のもので、後年の「ロングシャフト」でナットで高さ調整なんてことができる以前のものというわけですね。
アウトプットジャックへ続く穴はこんなに小さなもので、ジャックごと通せるものではありません。
おなじみ「ディープジョイント」ってヤツです。
左側に少し隙間があります。
よくカスタムショップとかリイシューとかの写真をブログに上げて、こんな隙間があると『組み込み精度はイマイチ』とかおっしゃってる方がいますが、そこじゃないんですよねー大事なことは。
2つ開いたネジ穴はP-90の名残り、手前のスポンジは、ハムバッカーの傾き補正用です。
テイルピースのアンカーは、こんなに深く掘られています。
そう依頼して掘ってもらったのですが、
それは
この様に、スタッドの下部が穴に潜り、ラップアラウンドテイルピースを目一杯に下げられる様にしたからです。
ここまでやってギリギリで弦高(クリアランス)を保てました。
キャビティカヴァの裏に「LS」と彫られていますね。
この時代=初年度にはLes Paul Customはまだ登場していないので、このギターは、ヘッドにある様にLes Paul MODELであって、Les Paul "Standard"という呼び名はないと思うのですが、何でしょね?
組み込んだ方のサインとも思えないし、メインテナンス時に他のギターのパーツとごっちゃにならない様につけられた印ですかね?
右がこのレスポールの止めネジです。左はストラトのもの。
途中までしか螺旋が切られていない、カワイイこのネジがオリジナルなんだそうです(これは全部そのままです)。
さぁ、全て組み込み直して出来ましたよ!
やっぱイイっすね‼
このピックアップカヴァは、以前もご紹介したThro-bakのものです。
買った時はピッカピカのニッケルメッキがここまで曇って渋くなりました。
別に何にも手を加えていません。
ニッケルメッキはほっといてもこうなっちゃうんですから、何でわざわざ「エイジド」「レリック」なんて高い金出して買う必要なんざありましょう。
第一、わざとやってるからかなり不自然だしね。人と一緒なんです。
カッコ悪りぃですよ。
昨年だかご紹介した通り、先日まではこちらの穴なしカヴァに変えてました。
「レスポール大名鑑」ハムバッカープロトタイプの真似してみたのですが、見た目は割と良くとも、音抜けが良くありませんでした。
穴というより、Thro-Bakの売りの薄さやメッキ処理なのかもしれませんね。
巣篭もりゴールデンウィーク(終わっちゃったか)特別大サービスで、今回は我が家のレスポールのご開帳をさせて戴きました。
78年の赤いのもやってますので、また次回ご紹介いたします。
あ、それと、ブログのカテゴリーに”Les Paul”も追加しました。レスポールの過去記事もリンクして行きますのでよろしくお願いします。
では。
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