やっぱampegでしょ!その2


『パッパ』

05/6月/2013 22:39




「パララ パララ パラ パラララ、パッパ〜」

そりゃin the mood?


「パッパ アル ポモドーロ」

ってのはイッターリアのガキんちょ向けトマトお粥だとか


「パッ!拙者早乙女モンドノ介、パッ!」

のりおよしおのウルトラハイパーな漫才ってもっとアップされないかしら。


して、こちらが我が家の「パッパ」。



大昔、ジャズ好きな上司に

「自分は真空管式のギターアンプを使っておりまして... 」という話をしたらば、「オーディオでもあるよねー。『ケーテーパッパ』って言うのが有名だよ」


何だよパッパって。

その後遍歴を重ねたアンプ群では、そのパッパには関わり合いになることはございませんでしたが、私のampeg熱が再発した”B-25”との出会いによって、またその名を聞くことになったのです。


例のampeg専門フォーラムで、『デフォルトの7027パワー管のままで使うんだったらコレコレだけど、KT-88に替えるんだったらソレソレだよ』という話を聞いたことから、一気にグルグルとオツムを何かが巡りだしたのす。


で、今回やっとこ入手したのが写真のKT-88(ケーテーパッパ)。

中でも評価の高い”JJ”ブランド製。そしてご覧の通りの赤いガラス!

このブランドでは、透明のノーマルタイプに加えブルーのものがあることは知っていましたが、赤いのは初めてお目にかかりました。

JJはスロバキアのブランドで、ボヘミアングラスの伝統も受け継ぐ技術を持ってしてだとか。


KT-88はメジャーな(ギター)アンプではそれほど見かけることはございませんが、実は各ブランドのある種「別格」のモデルでは、ここぞとばかりに装填されるタマだったりする訳です。

MARSHALL MAJOR、AMPEG SVT、BOOGIEのなんとか.... 

SVTのごく初期は”6147”で、KT-88と同各の”6550”を含めてですが、大抵200W以上のモンスターアンプ。

その巨大な出力ゆえ使いやすいものではないとなるのでしょうが、実はアンプ黄金期の70年代アンプ使い達人たちには、KT-88(6550)仕様のものを愛用している方のまあ多いこと。


音を自分好みにする為工場に押し掛け、パートのおばちゃんが『誰か今すぐあの男をつまみ出してっ!』とヒスを起こすのもおかまい無しにその場で200W MARSHALL MAJORをフル出力でかき鳴らしていたあのお方とか、それまでブースターとして使用していたファズをやめ、100W出力だったMARSHALLをトランスとともにKT-88(6550)改造したお方とか。


そんな方々の当時のライヴ音源は子供の頃から聴いておりました。その後になって、誰ぞが100WヴィンテイジMARSHALLを手に入れたとか、極上の状態の中古入荷とか言われても、いざ弾いてみるとかつてのあの音とは何か根本の音そのものが別種のような、全く違うブランドであるかのような違和感は常に持ち続けていました。

まあ、MAJORとかSVTとかにギター突っ込んで鳴らしたことが無かった為でしょうが、そんな機会は今後もあるかどうか解りませんし、もし運良く手に入れてもバンドではデカ過ぎて鳴らせない、重くて運べない、じゃねぇ。


ということで話は戻って例のampeg専門フォーラムにおいて、実はB-25入手後ほどなくして、『B-25は(7027に替えて)そのままKT-88差すこと出来るけど、バイアスを(もっとネガティヴに)掛け直さないとね』という情報は得ておりました。


ほんの1行ちょいのこの言葉ですが、先ずはバイアスとは何ぞやをちゃんと理解しないとイケナイし理解した所で、んじゃ何処をどういじればいいのさ?ということが解決できなければ手を出せぬ。

でも55W出力のB-25をKT-88仕様に出来れば、実用度も確保しつつ、『子供心に感じた〜現在も聴けば聴くほど』のあのサウンドのスゴミのキモが理解できるやも?という気持ちをモティヴェイションにしてはや2年近く経ってしまいました。


色んなサイトや果てはオーディオ向けの書籍を読んでみたりしましたが、最近になってこちらのサイト(この場で御礼申し上げます)http://eiennouta.exblog.jp/i26/と、

この本


で『バイアス』について一気に理解が進みました。

洋書なんですが、ブティックアンプ老舗のKendricks氏による、『バイアス調整のシンプルな真実』なる章があり、これを少しずつ訳しながら読み進めると、今まで断片的に得て来た知識がすとんと腑に落ちた思いでした。

ギターアンプに特化した読者を想定して書かれているであろう内容が、まさに解りやすいものとなっているんでしょな。

ということで、固定バイアスでもB-25には無かった微調整用のトリマもしかるべき場所に取付け、バイアス測定器具も自作し、自分で出来る範囲での測定、調整も行ないました。

ではレッツラゴー!


ぎゃ〜、イイ音〜!

ブランドこそ違えど、先に上げた達人たちと同じキモの音です!!

何が違うかと言えば、歪みの質が違う?

一般的にKT-88は、クリアでヘッドルームに余裕があるサウンドと言われますが、『潰れや曇りが無い極太の力強さを持ったドライブサウンド』といった感じでしょうか。

ギターサウンドに求めている抜けの良さとかって、結局肝心なのはこの部分なんじゃないかとも思えます。

かといって、耳に痛い高音とか、ドンシャリとかではないですよ。


いや〜、めでたしめでたし。



TUBEはこんな感じ。




手前のこのV-3は7027のままなので、弾き比べてみるとその歪みの質の違いは歴然。

ガキンチョ心に刻み込まれたまさにROCKなアンプサウンドは、決して憧れの幻想なんかではなかったのですな。


何かモヤモヤが晴れ、憑き物ガストンと落ちたような爽やかな感動を味わったのであります。







『トラブルシューティング』

07/7月/2013 22:15



水シャワー、水風呂、

チメタイお水、ベルモットにラム酒、

うへ〜、辺りは暗くなってもこれではたまらぬ。

エアコンON!

へ〜涼しい♡


お昼には汗だくになりながらも昼寝したらいい塩梅だったのですが、やはり夕方から日の入りは暑さが猛烈。熱中症に一番気をつけねば成らぬ時間帯なんでしょな。


色々やって文明の利器にも頼って我が身をリセットできましたが、実はこの土日は我がampeg B-25アンプの修理に明け暮れていたのです。


思えば2010年暮れに入手し、2011年のお正月返上で修理再生して以来ホクホクだったわけですが、現在まで突然音がはたと出なくなる事態に見舞われた事は一度や二度ではございませんでした。


これがまたその都度異なる原因によるもので、その度に解らない成りに色々調べて何とか解決できたわけですが、せっかくなので、そのトラブルシューティングの実例を備忘録的に記しておこうと思います。ampegユーザーのお役に少しでも立てばと。素人考え&オペレイションですがあくまでも。


その1:

パワーON、スタンバイ解除でよっしゃやったるで!と勢い込んだものの音が全く出ず。

ありゃと思い、ヒューズを見たら見事にブロウアウトしておりました。

新品のヒューズを買って来て取り替えてみたものの、スタンバイ解除でまたもヒューズ切れ。


結局パワー管の不良でしょとご意見され、パワー管7027ペアを新調して解決。

しかし、この事象はこれで本当の解決ではなかったのです。


その2:

その1から大分経ってまたもやヒューズ切れ。

何かその瞬間アンプヘッドから「ブーン」という音がしたような。

アンプシャーシを引っ張り出してみると、パワー感周りのシャーシが若干焦げているように茶色くなっていました。

その状態で試しにパワー管はそのままに、ヒューズだけ新品に入れ替えてスタンバイ解除をすると、片方のパワー管の中に火花がバシバシッ!

ヒエ〜!

またもやパワー管を買い替えるにも、決して安いものではないのでちょっと原因を追及してみる事に。パワー管が突如ダメになるとか、同時にヒューズが飛んでしまうには、それを引き起こす原因があるはず。




大部前の写真ですが、

オレンジの矢印が、各パワー管の5番ピンへと延びているバイアスのケーブルです。

このケーブルをこの写真の後新しいものに取り替えてあったのですが、その片方が基板とのハンダ付けが甘く、接触不良を起こしておりました。


あのバチバチもヒューズ切れも、これが原因だったのです。

なるほどねぇ。


その3:

音出し中にズブズブと音がかすれて結局その後音出ず。


これは最初の修理再生時と同じく、基板上の抵抗他のどれかが不良化したものか、うわぁ〜探すの大変だゾ〜。

と思ったら、


矢印のソケット、7199というインバーター管?のソケットが接触不良だったので以前セラミック製の新しいものにしてあったのですが、このソケットがかなりタイトに真空管の脚をホールドしてあるので、球を替えようとぐりぐり揺すった時、裏側の基板にハンダ付けしてあるポイントが浮き上がって、基板パターンが壊れてしまっていたというわけ。

恥ずかしくて写真はありませんが、ソケットの端子(爪)をしっかり折り曲げて基板の穴に密着固定し、単線を使って基板のパターンが断裂したところを修復。

プリント基板は2次元の世界なので、物理的な不可抗力にはデリケートなのね。


その4:

これが今回のケース。


パワーON、スタンバイ解除しても全く音出ず。

原因はこれでした。


スピーカーアウトのジャック。

B-25は、デフォルトではシャーシからスピーカーケーブルが直に延びているのですが、プラグも特殊だし、大抵はこのケーブルをもぎ取ってしまい、かわりに写真のEXTRA SPEAKER OUTジャックを8Ωスピーカージャックとして利用するパターンが常道。

して今回は、このジャックが突如接触不良と成ってしまったというわけ。


やたらと接点の多いジャックですが、緑矢印にはアウトプットトランスの16Ω用のケーブルが、黄色矢印の端子には8Ωが接続されているというわけ。

スピーカーケーブルを接続すると、ジャックの先端が先の2つの端子に挟まれたグイッと曲がった端子を外側に押し出し、黄色い端子と接触し、8Ω用の出力信号がスピーカーへ送られるというわけ。

そして、この接点が磨こうが曲げようが復活しなかったため、お取り替えと成った次第。

ちなみにグレイの矢印のパーツは、このジャックの金属部分(アース側)がシャーシに触れないようにする絶縁ワッシャー。

V-4等のVシリーズに、時期によってアルミ製の銀色ノブを装着したものがありますが、この時期にはなぜかこの絶縁ワッシャーがスピーカーアウトのジャックに咬まされていないケースが多く、ヴォリュームを上げドライヴさせて音を出していると『ピー』と発信音が出てしまうケースの原因はこれです。

銀ノブユーザーの悩みの種はこの絶縁ワッシャーか、本体がプラスティックのジャックを使用する事で解決できます。故障や修理でもなんでも無いですな。


ということで、プラジャックに取り替えて無事復活!

よかったよかった。

古いアンプはこのように古いパーツが突如ダメになってしまうことも大いにあり得るという事。

今後も何かしらはトラブルを起こしてしまうのでしょうが、可能な限りは直して使ってあげましょう。

最近ebayで出品されるヴィンテイジampegのプライスが軒並み高めになって来ている様な。

ヴィンテイジampegが現代に甦って活躍するのは大変目出たい事ですが、プレキシマーシャルの様にウルトラプレミアプライス化してしまうのはカンベンしてちょ。






『燃えるブンブンはミネンコ』

08/11月/2013 10:31





おおっと、何でしょこのでっかい差し込みプラグは!

その実体はマリンコ(Marinco)医療グレード 電源プラグ 8215T。

そうです、今回はいつかやってみたかったシリーズ、『アンプの電源ケーブル&プラグ交換』。

オーディオでもギターアンプでも「やっぱこれ!」というか、リーズナブルな費用で出来るグレードアップとして有名なべルデン19364とマリンコホスピタルグレードプラグ。

実状はよく知りませんが、ウン万円とかウン十万とかのケーブル何て物がオーディオの世界ではあるそうですが、最近楽器界隈でもやたら高っいシールドとかも見かける様になりましたね。んでも「方向性」とか言われてもね〜。

ということで、今回の費用はケーブルとプラグで5千円くらい。

「費用対効果」何て言葉がありますが、そう意味でも

ものすごい効果でしたぞ!

そもそも今回の切っ掛けは、自宅でアッテネーター使用でアンプを鳴らしたりしていると、たまにピリッと感電する事があるのです。

スピーカープラグ触った時や、果てはギターの弦(アース部)だったり、、、

こりゃいかん!

爆音をお茶の間サイズにギュッと圧縮するという、世の物理(?)をねじ曲げる様な所業が故に、よく言われる様にアンプに負担をかける事となっており大変よろしく無いという報いがここに来て噴出してるのでは?アンプ(出力トランス)が悲鳴を上げているのか?
ひえ〜〜〜っ!

おっかながってばかりいては何も出来なくなってしまうので、何か方策はないかと色々探っていたら、

『電源の極性を正しくする』

という記事を見つけ、仰せの通りに確認してみる事に。

壁のコンセント、日本式の縦穴2つのどちらかが長くて、そのどっちかがプラスだかマイナスだか、位の知識しか正直なかったわけですが、下記ページを参考に

http://tanarecorddomoncable.blogspot.jp/2013/03/0_4089.html

http://www.ebisugang.com/eb/colum/muro/muro_conten105.html#anchor

アンプ自体の極性をチェックしてみる事に。

壁コンセントの縦穴は、短い方がプラス。

して、チェックし判明したアンプから出ているプラグのプラス側を正しく繋げばよろしとの事で一安心。

はて、ではアメリカ式=縦穴2つの下にアースピン穴の3穴式は、どうなんでしょと思ったら、やっぱり縦穴の長短がちゃんとありましたね。

そして、ウチにあるエアコンの壁コンセントがまさにこの3穴式なので、以前からステップアップトランスはこれに繋いでいたのですが、ならばせっかくなので、アンプの電源プラグも3ピン式にしてしまえばいいじゃん?という次第。


我がB-25のオリジナルのプラグは

“Ampeg”ロゴもキュートな2ピン式。

1969年製だから、全米のご家庭のコンセントがまだ3穴式では無い時代ですからね。

アンプ内の配線を確認しつつベルデンケーブル、マリンコプラグを接続。


ちなみに、このアンプシャーシ側をソケット式にしなかったのは、ソケット用の四角い(六角?)穴をあけるのが面倒だったので&盗難対策?

実際このべルデンも外径が1cmもあるので、元の穴を少し広げればならなかったのですが、鉄製のシャーシをぐりぐりするのはかなり骨が折れる作業。

六角なんて素人じゃ無理っしょ?

上の写真でチキンヘッドノブの『プレゼンスコントロール」がありますが、これはもちろん後付け。

せっかくネガティブフィードバック回路があるんだからと、空いていた元スピーカーケーブル用の穴を利用してインストール。

プレゼンスの音質はまあまあなので、あくまで補正用という捉え方ですが、アッテネーターで高音域が削れてしまう場合や、キャビネットの特性に応じて使うと何かと重宝。

ちなみにこちらがステップアップトランスに繋いだ図。


それまでの、「プラグをつまんで差す」ではなく、グッと握ってズブッと差す!という感触。

さあさあ、では今回の電源ケーブル&プラグ交換の効果はいかなる具合で素晴らしかったかと言いますと、

その1:『音の分離がものすごく良くなった!』

- パワー管をKT-88に変更した際には、そのドライヴの仕方の変化による音抜けの向上が我が狙い通りだったのですが、今回は、音の分離が良くなる事でさらに視界がクリアになる様で、これは期待以上と言うか、想像を超える素晴らしさです。まぁ、音の分離が良くなるという事は、ヘタッピがバレてしまうことでもありますが。

その2:『ノイズ低減』

- 実はB-25はギターを繋いで音を出していない時の『ジー』ノイズが結構目立つ状態で、購入時の素人修理&パーツ交換ではこれが限界かとあきらめていたのですが、3ピン=アースピン付きの効果で、ノイズがガッタリ減りましてん。

これはウレシイですね。実はいつか基板上の抵抗をアランブラッドレイのものに交換しようかとも考えていたのですが、一説によると現代の抵抗に比べノイズが増えてしまうとの事で躊躇していたのですが、しめしめ、これで出来るというわけだ。

『電源ケーブルで音は変わる』というのは、よく目に耳にするフレーズではありますが、ケーブルの線材が太くなったりとかのレベルではその効果もたかが知れている?

言い換えれば解る人にしか解んないレベルの試技になっちゃうんじゃないの?

などと思っており、私にとってはあくまでうわさのチャンネルでありました。

よって今まで一番後回しにして来た事であり、やってみるまでは都市伝説みたいな捉え方でしたし、いざやってみるとこれほど効果が出るものかとビックリした次第。

しかし、さらにこれをウン万、ウン十万のものに替えるともっともっと良くなる何て言う風には思えませんな。

コンデンサーのブランドやキャラクターを替えると音質が変化するというのとは別物で、「やるかやらないか」的なことではないのかなと。

つまり、汎用のものから、しっかりした規格のものに取り替えて電源の供給の安定を確保する、という作業なのではないかなということ。

つまり、それ以上のスペックはあくまでも付け足しなんじゃないかなーということで、まあ、あくまで私の想像ですけどね。

ともかくよかった、よかった。

ということは、アンプはもちろん、エコープレックスとか、Shin-ei PT-18とか、プリアンプ回路がキモのデバイスの電源ケーブルも交換したら相当インじゃない?継ぎ足した分どうしてもの音質劣化とかがクリアになるんじゃん?

ん〜、いいですね〜。

斯くして、相も変わらずで今年も暮れて行くのでした。

追記:

電源ケーブルとシャーシ穴とのエッジの摩擦によるケーブル皮膜の損傷を防ぐ為のグロメット(?、何て言うのか知らない)は、シンプルな100円位で買えたものにしました。

単純にシャーシへの固定とケーブル保護の機能しかありませんので、外からケーブルを引っ張っても抜けない様にする為に、グロメット付近のケーブルに結束バンドを数本締め付けましたけど、まぁ、気休め程度ですかね。


こういった、ケーブルも抜けず水も入らずというものも買ってあったのですが、3cm以上も出っ張ってしまっては邪魔でしょうがないので、今回は不採用。

もっとシンプルで小型のものがあればいいのですがね。

この後は、現在のブログになってからの記事に続きます。
ラベルの"ampeg"で、まとめてご覧頂けます。

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