男はやっぱりストラトかしら?20(コンデンサー選びは楽し4)


「サークルD、たくさん」
何という素敵な響きの文字が万年筆で書かれていますね。
そうです、前回「思わず注文した」と書いた、「サークルD、たくさん」が到着しました!

「サークルD」についてあらためてご説明しますと、その昔、米国キャリフォルニアはモンロビア、マートルアヴェニューにあったDILECTRONという会社製のセラミックコンデンサーのことで、会社の頭文字をあしらったロゴマークから「サークルD」と呼ばれています。60年代後半からFenderのアンプのトレモロ回路等やギターのトーンに使用されていたこのコンデンサーですが、個人的にはストラトには最適のコンデンサーだと思っています。
ストラトらしいきらびやかな音色に一役買っているのがこのコンデンサーだということは、過去の「コンデンサー選びは楽し」にたっぷり書いていますので、そちらをぜひご覧ください。

では、



ほれ


ほれほれ

 
ほっれほれ


ほれほれほれほれー


こんなに出てきて、全部で28個!
ん〜、素晴らしい。

一応テスターで測って、
値順にずらーっと並べて、

上は3900pF(=3.9nF=0.0039uF)から、


 

下は47pF(=0.047nF=0.000047uF)まで、サークルDのハイパスコンデンサー候補生がそろいましたねー。


ストラトにハイパスコンデンサーなど元よりついていないものですが、要はするにこういうことです。

上のヴォリュームポットの略図で説明すると、ピックアップからの信号が左の端子に入り、真ん中の端子から出力されます。
ヴォリュームのつまっみを回すと、真ん中の端子に接続されている「ワイパー」が黒いカーボンの帯(抵抗)を行ったり来たりして音量が変化する訳ですが、フルヴォリュームの音質のまま音量が下がってくれれば文句ないのですが、必ず高音域が目立って減少し、いわゆる「コモった」音色になってしまいます。

そこで、左の端子と真ん中の端子の間にコンデンサーをつなぎ、高音域のみを通すコンデンサーの性質を利用すると、音量は減少しても高音域はバイパスされ減少しないと。これがハイパスコンデンサーを追加するということです。


現在付いてるのはエメラルドカラー(確かampegアンプに付いてた奴?)の0.005uF(5000pF)。

さっきの序列に加えると、当然一番上(デカい値)。



ハイパスコンデンサーの値(キャパシタンス)が小さいほど高音域を、大きいほどその下の音域(中〜低音域)までスルーする=音量を下げても残る訳で、このエメラルドちゃんを付けて実際Vol.を絞っていくと、高音域だけでなく中低音も結構スルーするので、もちょっと『ハイパス』寄りのバランスが欲しいところです。

ではやってみましょう。
例のごとくVolポットの端子につないだケーブルにワニ口クリップをつなぎ、反対側のワニさんにとっかえひっかえサークルDをつないで、ギターのヴォリュームを最大(10)にした時と、スっと落とした時(6~7)の音質を比べます。
というより、6〜7に落とした時とは、アンプの歪みも抑えてそれなりにジェントルにプレイする訳ですから、浸りまくれる音色としてどれが一番魅力的かを耳で判断しながらコンペをしてみましょう。


最初の横一列から、外れたものを上へ、勝ち抜き組を下側へ。


値が低ければ高音域に寄ってスルーされるはずなんですが、低すぎるものはハイパスの効果があまり感じらません。
もしや超々高音域のみスルーされているので聴き取れないのか、まぁ、ギターの音域の範囲には当てはまらないということでしょう。
ではどこで線引きをするのかといえば、今回のラインナップでは上の写真の赤い線になりました(1000pFと680pFの間)。

ということで、3900〜1000pFの範囲で勝ち抜き戦です。



手前の3つで最終決戦。
3300、2200、1500pF。

やはり1500は高音域寄りで、3300はもう少しレンジが広いとも言えますが、要は音色です。
アンプはVOXとHIWATTで音色の変化も違うのですが、ここはやはりHIWATTで。
マスターVolをフルアップした素晴らしき歪みからスッとギターのVolを落としてクリーン気味にしたときのたまんない音色。
これなんですよ欲しいのは(もちろん自宅での実験なのでアッテネーター使用ですが)。

そして....

見事優勝を勝ち取ったのは、ご覧の3300pFでございます。
案外大きめの値のものが勝ち残りましたね。
多少音の太さも売りのこの個体(ストラト)にはこれがいいのかもしれませんね。

「? 前回、330pFでハイパス付けてカツカレーがウマかったなんて言ってませんでしたか?」

おやお気づきでしょうか?
実は前回の個体とは別物なんですよ。
しかも、ただのストラトではありません。
次のブログは久々に大ネタになるかもです。
先ほどのアッセンブリー写真がヒントです

そうそう、ここもやっとかなくっちゃ!
:
おなじみのFENDERセレクタースウィッチ(CRL製)。
これに付いてるご覧のバネがスウィッチングの固さを担っているのですが、固いの嫌いなんです。特にストラトは。
ならばどうするかと、思い切ってバネ外しちゃうなんて方もいらっしゃいますが、するとスカスカが過ぎて全くポジショニングができず、ネックとブリッジピックアップのどっちかしか使わないなんて人にはいいのですが、ならどうしましょ?


バネを少ーしだけ伸ばしてテンションを弱くするのですな
上がビミョーに伸ばしてみたもので、下は伸ばしすぎちゃったもの。
かなり微妙なところでやめないと、結局バネ外しと同じになっちゃうのでムズかしいのですが、イイ具合に柔らかくなったスウィッチの感触って、ハイパスの絶妙の音色と同様、大変気持ち良いものです。

では、次回をお楽しみにねー。

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