男はやっぱりストラトかしら?17


連投ですよ〜
こっちが長くなりそうだったので、iPadの巻は先夜(明け方にかけて)前出ししましたのよ。
では、今回は’76ストラトの仕上げ=パーツ交換行ってみましょー!



大体交換出来ましたねー。

先ずはこちら

"FENDER AMERICAN VINTAGE SERIES STRATOCASTER TREMOLO ASSEMBLIES CH"
が商品名だそう。

イイじゃないですか。

wilkinsonの時はピックガードに当たってしまって要加工でしたが問題なし。
いわゆる11.2mmピッチのサドルはもちろん、マウントネジ間もピッタンコ!
不思議なのは何でこれ以外のピッチがオプションとして用意されているのか?
つまり、70年代から現代までのコピーモデル、リイシューモデルはなぜにわざわざ別ピッチでブリッジをこしらえる必要があったのでしょうね?
あ、ちなみにボディへのマウントネジ6本は、’70年代当時のものを使っています。
今回購入したトレモロユニットに付属していたネジと比較すると、やっぱりね。
試しに6本を両手のひらに包んでそれぞれ振ってみると、ネジ同士がぶつかる音がまるで違うんですね。
70's当時ものはもちろん鉄ネジ。

アームもそのままだと難有りでございます。

先端のキャップはネジ込み式なのですが、いくら絞めても固定できずスッポ抜けてしまいます。


んだばと、手元にあった下のアームでやってみましょ。
ちょっと浮きすぎて(まるでマスタング、それ以上?)しまうので、根元の折れ曲がり角度をもっとキツくしてもよいかもです。


ピックガードは"STRAT W/B/W 11-HOLE, 3-PLY"というもの。
11点留めのネジ穴位置はピッタリ一致だったのは何よりですが、ピックアップとセレクタースウィッチのマウントネジ穴は皿ネジ用でない為加工が必要ですな。
*'76年当時なら鍋ネジでこのままでも良いのですが、やはり70's前期までの皿ネジが好みなのでここは一丁久々にアレの登場ですね。


先端が90°のこの何て言うんだか忘れましたが、これを使うとキレイに加工出来ます。


ホラね。


ピックアップ用はこれよりもう少し深く掘った方がピッタリ巣篭もりになってイイですな。

ストラップピン、ジャックプレート(これはネジ穴位置が違いました)、ピックガード等留めネジもクロームに変更。


ほとんど変色しないピックガードに比べ、どうしても黄ばんでしまうこちらの皆様も取り替えることにしましたが、個人的にこれが結構メインだったりするのです。


上が今まで付いていたもの。
VOLUMEは'76年オリジナル。TONEの2つは'80年代前半ものです。黄ばみ具合はどちらも同じレベルなのですが、当時から何とかしたかったのがメモリ数字の大きさ。


ずっと探してたんですよ。この数字の大きさのノブ。


ね?ほとんど一緒でしょ?


こちらは結構違いますよね。

古いパーツかどうかより、揃えられて何より。
この『男はやっぱりストラトかしら?』シリーズ開始当時にはこの小さな数字のノブって見つけられなかったんですよね。
あるのはレリックとかそんなんばっかりでヤンなっちゃってたのですが、ようやく手に入りました。


拙者、接写は苦手でござる。

ちなみにこちらはセレクタースウィッチのノブですが、右側がず〜っと使ってるおそらく'76年当時ものです。
よくある左のタイプと比べ、ふっくらとした形状が何とも好きなんですね。これのリプレイスメントは流石に今まで見たことがないので大事にしてます。接着剤で留めとかないとすぐに外れちゃうんですな。

トレモロのスプリングも、

これにしました。

評判通り、かなり柔らかくしなやかで、初めて5本張りにして使うことになりました。
サウンドハウスには概ね高評価のレビューが満載ですが、果たしてどうでしょう?
確かに、キラキラした揺らめきというか、色っぽさが乗った音になりましたね。
これはイイかも。
『鳴りが良くなった』というレビューも散見されますが、『鳴り』はね、もともと素晴らしく良いんですよ、このストラトは。

今回リフィニッシュ後組み上げて弾いた時には、あれっ?こんなに鳴るギターだっけ?と、しばらく戸惑うばかりだったことは今初めて書きましたが、前の塗装を剥がしボディの下地処理をしている際、手を触れる度にカランコロンという音を聴かせていたのは、やはり予兆だったのですな。

さて、これで交換するパーツも以上でございますが、もう一つ付け加えるかどうか迷っているものがあります。
ハイパスコンデンサーを付けようかどうしようか....

このミュンヘン'77LIVEはもう何度観たかわかりませんが、同じツアーの音源を聴き比べてもやはり図抜けた名演と言えましょう。
でも前も書いたかもしれませんが、もっぱら観ているのは、曲の頭に社長がクリーントーンでバッハを浸りまくって弾くシーン。
ここでも「平均律」に「主よ人の望みの喜びよ」。さりげなく合わせてくるディヴィッドストーンのオルガンもイイですね。
曲が始まると飛ばしちゃって"Still I'm Sad"(ここでのD.ストーンのソロは絶品!)と前日までオーストリィで拘束されていた社長の鬱憤が爆発するギター壊し観て終わり。

"Still I'm Sad"の中盤でのクリーントーンソロ(第9に繋がるヤツね)も素晴らしいですね。
こういった微妙なダイナミクスを付けられるのって、ギターが鳴ってる証拠ですよ。
時期によってベストなストラトを選っていた社長ですが、このツアーではこの'74年サンバースト/ローズが大変お気に入りだったようですね。

そんなお気に入りのストラトも、


ご覧の通りその数年後には酔っ払った勢いで壊しちゃったそうです。
全く酒飲みとは困ったものです。

で、この記事にある"MTC(MASTER TONE CIRCUIT)"とは、トーンコントロール用とヴォリュームコントロールに関わるデバイスで、コンデンサーとコイルと抵抗で構成されているそうです。


上の図のMTCから出ている4本のケーブルの内、赤と黒は通常のコンデンサーと同じ配線ですので、ブラックボックスの中のトーンコントロール用コンデンサーにつながっているのでしょう。

では緑の方は?

色々ググってこのロシア語のサイトを見つけました。

GOOGLE CHROMEの自動で立ち上がる翻訳ツールのお陰で日本語訳が表示されますが、まぁ、大抵は『悲しかったのはブラックモアの馬小屋でした』とか意味不明になっていますが、MTCのパートは運良く読み取れるものとなっています。

によると、「コイルと抵抗」と「コンデンサー」で回路が分かれているとのこと。
しかも何と、このブラックボックスをX線で撮影したという写真も載っています!


せっかくのチャンスなのに真ん中で割れちゃってるのは何かの事情があってのことなんでしょう。
ならば、もちょっと見易くしてみましょうか。


赤丸で輪郭をつけたのが「コイル」でしょうね。
右側のグレイのパーツがトーン用のコンデンサーでしょう。


とすると、左側の2つ重なっているのが抵抗ですかね。
ということは、先の配線図で緑色のケーブルでヴォリュームポットに繋がっているのは抵抗とコイルであり、LR回路(よく知りませんが)であるという事。
するってぇと、コンデンサーによるハイパスではなく、コイルと抵抗による何がしかの効果を狙ってのものなのですな。

コイルと抵抗の配線がどのようになっているのか分かりませんが、ちょっと試しに部品箱に転がっていたTDKのインダクター(以前初期VOX WAHコピーに挑んだ際の残骸)と適当な抵抗をヴォリュームポットに繋いで見た所、ポットのカーブが大分変化しますな。

つまり、ヴォリュームのカーブを変化させる事で高音域を含めエッセンスが失われるのを穏やかに抑えているという事でしょうか。
コンデンサーによる強制ハイパスでは確かに、ちょっとハイがきつすぎてしまう事も良くありますよね。
しかし今回のやっつけ試技では、VOL10〜2ぐらいまで殆ど変化しないといった具合なので、コイルや抵抗の値とか色々工夫してみるのも面白いかもしれませんね。今後の研究課題としましょう。
今回はとりあえずちっちゃいサークルDを付けておきました。

ということで、またもや生まれ変わったというか新たに息を吹き返した古い付き合いのストラト。
さあ言いますよ決めゼリフ。
これからも末長くよろしくね!

 

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