カッコイイですね。おなじみ(?)、KING CRIMSONの"DOCTOR D"です。
Brufordのドラムたまンねぇなぁ〜。
こちらは『サークルD』、DILECTRON社製セラミックコンデンサーであります。
そうです、今回は白ストラトちゃんのコンデンサーをも一度選び直してみよじゃないかキミ!の巻です。
こちらがパーツケースから取り出した候補の皆さん。
ちなみに直前まで使っていたのは、真ん中の上から2番目の『グレイタイガー』。
1952 Les Paulに元々付いていたものです。
これもなかなか良かったんですけどね。
TONEポットの端子とアースにケーブルをハンダ付けしてダミーのTONEポット穴からベロベロ出し、ワニ口クリップが両端に付いたケーブルを挟み込んで、
そのもう片方をご覧の実験テーブル上にテープ止め。
ここにコンデンサーを次から次へと挟んでいきます。
ここでポイントですが、
・VOLUME:10、TONE:10の状態でのコンデンサー装着時の音質
・VOLUMEを9〜8、それ以下へ下げた時の音質の変化
の2点です。
上記の2点がこのギターのスタンダードとなるので、TONEツマミを絞った際の音質変化(高域の削られ方)は二の次です。
これはかのブラックビューティです。
先ほどグレイタイガーを直前まで使っていたと書きましたが、この手の筒状のタイプ(フィルムetc.の種類名はよく知りませんし、特に掘り下げてはいません)では、レスポール等で散々いい思いをしたバンブルビーをまず試したくなるのが人情というもので試してみましたが、はてイマイチ。VOLUMEを下げた時もう〜ん。
バンブルビーの過去記事はこことこことここにリンクしておきましたが、その時の様なハッとしたり、ピンときたりといった手ごたえがありません。
ちなみに、今回のテストはHIWATTでマスター10(もちろんアッテネーターかまして)のドライヴサウンドでやりましてん。
VOLUMEを下げるとスッとクリーンサウンドになるっていう状態だということは言うまでもありますまい。
その、歪みが消えると同時に音質がどうなるのか、高域の残り方はどうなのかを検証するためです。
ということで、バンブルビーもブラックビューティもタイガー族も... 筒状組はすべて脱落。
ストラトにはどうも向かないというか、ハッとしてグーにはならない様です。
ついでに言うと、オレンジドロップ(もちリプロではありません)とそれ的なものも選に漏れました。
オレンジドロップってアンプやストラトのリプレイスに必ずと言って登場し定番化していますが、私自身は試せば試すほどまず手を出さなくなるアイテムです。
色々試して行く中で、おっと思ったのがこちら。
Micamold(マイカモールド)というブランドで、1950年代の物です。
丸の中の色の組み合わせがカラーコードになってるんですね。
ま、いつものごとくギターのコンデンサー選びは特にキャパシタンスは計っていませんが。
で、このMicamoldは何が良かったのかというと、『高域の残り具合』と、『音の分離の良さ』です。
VOLUMEダウン時に筒状組が良い結果を出せなかった高域の残り具合において、このMicamoldは大変良い具合に残しつつかつクリーンです。
そして音の分離の良さ。
実はコレが今回のストラト再生後の結構なテーマで、このMicamold装着時のVOLUME:10、TONE:10の状態では、最も淀みなく、各弦の分離が良い音、52 Les Paulで味わった『下手っぴがバレてしまう』音が出ています。
これは驚きでしたね。
しかし、ストラト向きでないと気付いたのは次のセラミック組を試してまたまたハッとしたからです(MicamoldはMIDNIGHT SPECIALに良さそうかもね)。
セラミックコンデンサーの皆さん。
元々このストラトについていたのは、以前もご紹介した左上のもの。
今回最初にご紹介した、『サークルD』の一つです。
そしてセラミックコンデンサー群の中で今回のコンペを勝ち進んでいるのが、そのサークルDブランドのものなのです。
なぜか?
それは『音が淀む』からです。
へっ?あなた散々ことあるごとに『淀みない』とか褒め言葉で使ってきたじゃない?
さっきのMicamoldもそれでいい線までいってたんじゃないの?
そうなんです。
今回のストラト再生も、フレットをちゃんとしたネックで『淀みない』鳴りを手に入れ、ピックアップのバランスも揃えて実にご機嫌だったわけですね。
そこでコンデンサーをどうするかの段になり、いつもの様に、コンデンサー無し時の毳毳(ケバケバ)をとりつつ、VOLUMEダウン時の音質も良いものをということで取っ替え引っ替え。
そこで何故サークルDに「あれっ?」と思ったかといえば、先のいわゆるコンデンサーの効能、ケバケバ等の『音を均す』というより、サークルDは、音の上にキラキラした淀みが乗る様な印象を受けたからです。
決してキンキンするわけでもなく、濁っているわけでもない、しかしハッと心をとらえる様なキラッとした輝きを持つ音に変化するので、VOLUMEダウン時にもその効能が引き継がれ、悪しざまにコモったりしない。
サークルDがストラトらしいコンデンサーと言われるのはこれなんですね。
でもレスポールもストラトも一緒なんです。
ん?チミは何を言うとるのかね?
私の1952 Les Paulはもちろん元々はP-90ピックアップでしたが、何故にブリッジをラップアラウンド化するところでモディファイを完了させずハムバッカー装着に至ったかというと、まさに『淀みない』むちゃくちゃ分離の良い鳴りのギターではあるわけですが、しかしそこにシングルコイルには無い、より『きらびやかな淀み』を持つハムバッカー(ステッカーナンバード)を載せることで、メチャメチャ色っぽい音になったわけです。
ストラトではその『色気』を担うのがサークルDコンデンサーだったというわけ。
さてではどのサークルDを使うかとなると、
真ん中のちっちゃいやつはおそらくテレキャスについていた、ローカット用のものですかね?
もちろん、VOLUMEポットにローカット用をつけてなんてのは今回しませんよ。
ということで、下の2つでファイナルラウンドとなりました。
こちらが元々このストラトについていたもの。
そうそう、試しにオークションを見てみたらこのサークルDがとんでもない高額相場になっているのを見つけてビックラ仰天。
こちらは0.022uFのものということでしょうね。
どこから取り外したものかは覚えていません。
ということで、見事勝ち抜いたのがこっちのサークルDでした。
『きらびやかな淀み』『ハッとする色気』ではダンチでした。
ちなみに同じキャパシタンス表示のセラミックも比較してみました。
右のCentralab製がそれで、MIDNIGHT SPECIALについていたものでしたが、やはり全く違う音。
そして付け加えておくと、セラミック組といい線までいっていたコンデンサーがこちらです。
BRITISH MADEの“HUNTS mica capacitor” 通称「キャラメルマイカ」。
VOLUMEダウン時の音のキレイさは秀でていたのですが、Micamold同様やはり分離が良すぎでした。
『音の分離の良さ』
先ほども、これが今回のストラト再生後においての重要なテーマと書きました。
この辺がまだモヤモヤしたままですね。
ストラトに関して具体的なことを言えば、
『ネックピックアップとブリッジピックアップが同じ音』と言っちゃうとまた極端ですが、要するに理想としているのは、スウィッチを切り替えてもあまり違和感がない音、ということです。
実はコンペでイイ線までいってたマイカ組(キャラメルマイカとMicamold)は、ハイファイすぎるので返ってその差が出すぎてしまうのです。
もちろんそちらの嗜好の方はいらっしゃるでしょうし、オールマイティな用途のコンポギター系(?)などには、むしろネックとブリッジの様変わりする音の差と分離の良さなんて願ったり叶ったりでしょう。
でも、それってストラトの音かなぁ?
つまり、ストラトで『音の分離の良さ』を追求しすぎてしまうと、ストラトの魅力が反比例して失われてしまうのかも。
となるわけです。
『ネックとブリッジ(ピックアップ)の音の差』が極端でないとは、つまりサークルDの『きらびやかな淀み』の影響が及んでいるからで、いや、ホントですよ。実際この優勝したサークルDで鳴らしてみると本当にそれを感じるし、しかもピッキングのポジションで如何様にも音が変化することもまざまざと体験できます。つまり、『きらびやかな淀み』と言っても、何か得体の知れない不透明な色で塗りつぶしているわけではないということ。大事なきらめく色気の部分を浮き上がらせてくれるというか。
何となくわかっていただけましたか?
もちろん、「60年台前半まで使用されていた"RED DIME"と呼ばれるセラミックコンデンサーこそがスゴくて今や相場も天文学的金額よ」なんてことは承知していますが、持ってないしね。
ラージヘッド前期ストラト好きにとってはそのRED DIME価格狂騒も対岸の火事だったりもします。
ピックアップからアウトプットジャックまではこれで固まった様ですが、実は『音の分離の良さ』に関しては、もうひとつ抱えているアイディアがありまして、これは次回にでも。
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