男はやっぱりストラトかしら?11


コンコン、無事溝切りも終わったのでそのままフレット打ち込みへ。
ネックの下にあるのは枕カバーに入れた砂袋。
これもネットで得た手段で、ホームセンターで園芸用の川砂を買ってきました。
その下はコンクリのドブの蓋ね。以前アンプの下敷きにと業務用ホームセンターで入手(ドブから剥がしてきた訳ではありません)。
しかしその重宝していた業務用ホームセンターは今では一般人お断り。なんだよ、イイじゃんねぇ。セコイぜ。

擦り合わせにはこのアルミ角柱を使いました。

元は1mあって、はみ出たホームセンターのカートから転がり落ちてヂャンガラガッシャンと実にケタタマシイ音を店中に響かせ、その度に店員が何事かと慌てふためくのを見て思わずニヤニヤしてしまったというのを数回行ってから購入しまして、こちらもピラニアソーで45cmくらいに切り、マスキングテープ側に両面テープでサンドペーパーを貼り付けるという寸法。
以前買ったHOSCOのフレットレベラーでやるよりペーパー張り替えてサクサク削った方が断然効率がイイのです。

擦り合わせ後に指板面とサイドの塗装をしましたが、今回はサンディングシーラーも無しのクリアラックアー吹きっぱなし。
乾燥後もろくにサンディングもしていませんが、ボツボツの表面の感触もなかなかイイものです。
しかしなんと!いつもの『シントーカラースプレー』がいつの間にかリニューアルしていました。


その名もカラースプレーZERO!
成分が変わっているのか心配しましたが、要は溶剤が現在の規格に合う様変更されたとのこと。
「使いかた」の懐かしのイラストもそのままでひと安心。


以前ご紹介したこちらは、指板のRに合わせてナット溝も整形しようと、そのガイドを作ろうとしている図であります。

両面テープで固定した爪楊枝群の頭の方をなぞって、


こんな型紙を作ってみました。

しかし、ナット&ナット溝の整形って一番ムズかしいかも。
まだ合わぬかまだか?なんてやってるうちにナット溝中央に銀色に輝くブレットが見えてきちゃってさあ大変!
慌てて適当なところで仕方なく瞬間接着剤をちょい垂らして接着(後にブレットはちゃんと回せて一安心)。

この時期(71年後期〜)の特徴であるトラスロッドシメ用ナット=ブレットは下写真にある様に、弾丸(BULLET)状故この呼び名であります。

言葉の響きがピンとこないせいか、『ブレット』と言ってもイカツイ『弾丸』のイメージがあまり湧かないもので、また、発音も『ビュ』と読んでしまいがちですが、正確には『ブゥレt 』とブを少し伸ばすような感じなので、この辺からも日本ではポピュラーな言葉ではないのかもしれませんね。しかし「バレット」とは言わんでしょうどう考えても。

そういえば昔、Fenderのギター弦でその名も"BULLET"ってのがありましたな。
確か、通常真鍮の輪っかであるボールエンドがその名の通り弾丸状だったと記憶しています。
その後に発売された、緑やピンクのシンプルなパッケージの弦もこのストラトに張った記憶がありますね。
結構好きだったなぁあの頃のFenderの弦。


ストリングガイド(ストリングツリー)はこのくらいの高さが好みなので、ご覧のポストとネジが欲しくて手前に浮いているガイドとセットになったものを買ってまいりまして、ご覧の通り両サイドの弦通し部分が前後に跳ね上がっていて、なるほど摩擦等を考慮しての思い付きだとは思いましたが大きなお世話でしたね。
ネジ止めしてある今まで使っていたスタンダードなものの方が断然イイ音でした。

さあ、出来ましたよ!
フレット打ちはよく見るとアリャリャな部分もありますが、結論から書きますと、

ウッシッシ!

いつかも書いた、パッと手に取ってたまたま押えたその音がちゃんとイイ音というか、『弦がシャリ〜ンと鳴り、高音の響きも良くなり、ネックとボディに渡って確実にソリッドな鳴りと響き』を奏でています。ジャンボフレットも一役買っているのでしょう。
しかしこれはやはりリプレイスメントネックやはたまた現在のものでは得られない響きと言えましょう。このオリジナルのネックを復活できた意義は大変大きい!!
はあ〜良かった。

今回はずいぶん駆け足で書きましたが、実はオーラスにもう1つやってみたい大ネタがあったのです。


うわぁ〜久々に開けたなぁ。

左側の20,21フレットをご覧いただければ、そのジャンボさ加減もお分かりいただけるかと。
意外なことにというか、私の手に渡る以前にあれだけメタメタだった割には、ボディのキャビティには全く手が付いていないですね。
私も高校生の頃には初めて手に入れたグレコのストラトをザグってハムバッキングにしたりとかは当然経験していますが、このストラトを手に入れた大学生の頃はとにかくジミヘンとその前後オンリーでしたから、
『ストラトをハムバッキングにする?バッカじゃねぇ〜の?(←前にやってんじゃん!)』
『ましてやピックアップをパワフルな奴にとっかえるとか犯罪だぜ!』
なんて息巻いてました。
実はその当時(80年代前半)はその2パターンが結構な主流になりつつある頃だったので、何もかも時代に逆らっていた意固地者だったおかげで、このストラトにはそうのような愚行を施さなくてよかったとも言えるのかもしれませんね。

ただ、この『男はやっぱりストラト〜』のどこかでも書きましたが、ネックピックアップは当時のオリジナル(フラットポールピース)だから良いとして、正体不明のブリッジピックアップはやっぱり交換か?という思いが、この度のネック完成後の調整の中でフツフツとまた湧き上がってきたのです。
ネック側に比べてやっぱり少々線が細い。

あ、ちなみにセンターピックアップは1000円くらいで買ってきた、ポールピースの下にバーマグネットがついたヤツのそのバーマグネットを取り去ってケーブルも取っちゃったダミーで、スウィッチのセンターポジションはネック+ブリッジです。


これがそのブリッジピックアップ。
80(or70)年代当時の国産のものでしょうか?
入手当時からブリッジポジションについていたものかどうかは覚えていません。
ダンカンだかを手に入れてブリッジにつけてこれはセンターにしたりとかやったような記憶もある様な無い様な。


ちなみにこちらがネック側。
当然ケーブルは変えられていますし、後からポッティングもされているようでロウがベロベロついていて、ボビンのスタンプも判別不能になっています。

さて、ではブリッジ側をどこのピックアップに乗せかえるか?
テリーで結構良い印象だったLindy Fralinにしようかなと思っていたのですが、バラ売りがなかなか無いようで、ならばvanなんとかとか現Fenderとかで選ぼうかなと色々検索してみたところ、とあるピックアップを発見しました。

ヴィンテイジストラト専門のショップのHPにあるコラム(*現在はもう開けないです)で紹介されていた、リプレイスメントピックアップ。

でもなー、リプレイスメントと言えば、
PAFを『完全に再現』とか『プロの誰々が聴き分けがつかないとびっくり!』というコピーがいかにインチキというか的外か。
それを言うなら、『どんなギターにつけてもあれと同じタイプの音が出る便利なピックアップですよ』なら解るんですけどね。

要は、『素材(ネック&ボディ)の奏でるそのギターの音を忠実にエレキ化するので私は透明に近いのですよ』のではなく、『PAFが付いたあのレスポールの音が欲しいんでしょ?それを色にして塗りつぶしておきましたからね』というピックアップなので、その色が強く、同時に音抜けが悪い=生っぽいダイナミクスが無い。

ヴィンテイジストラト専門のショップのHPで、あれだけおすすめとおっしゃっているのなら、ノッてみてもいいかなと。

ある程度予想のつくLindy等ではなく、新しいものにチャレンジしてみることは楽しみでもあり、裏切られるリスクも少なそう、しかも結構安価だしね!
球数が希少なヴィンテイジピックアップならプレミア高額も致し方なしですが、リプレイスメントピックアップに法外な価格を設定するナゾ、ビル爺が化けて出るゾ〜。

ということで、そのraw vintage pickupが到着しました。

raw vintageのサイトはこちら

ホントは"aged"じゃないのが希望だったのですが、サウンドハウスには扱い無し。
別にポールピースをわざと真っ茶に錆びさせてるとかでもないのでまぁいいかと。

いや〜イイですね。

低音弦側がバッチリ太くなりました。
3弦の響きって結構なポイントだと思うのですが、そこはスタガードポールピースのおかげでしょうか。
とすると、ネック側もスタガードだったらなぁなんて夢想も出てきます。
しかしこの辺は一概にピックアップだけが要因するとは言えなさそうなので、今後の研究課題ですね。

ところで、このraw vintageは、ストラト用のスプリングも評判いいみたいですね。
柔らかめなので5本張ってちょとのことですが、現在付いているwilkinsonのユニットもスプリング柔らかめでそこが気に入っているのですが、wilkinsonは4本が標準装備。
raw vintageの5本掛けも大変気になります。
この辺は弦のブランドを変える感覚で価格も手頃なのでその内やってみてもいいかなと思います。

ということで、めでたくオリジナルネックで復活出来たストラトちゃんです。
あらためまして今後も末永くよろしくね。ん〜何度も言ってるような気が。俺はワルい男なのか?


コメント

ベニマロ さんのコメント…
昔は「ストラトと呼べるのは68年製まで」ってな風潮がありましたが、ストラトはこの年代辺りまでがスタイルもヴィンテージっぽくて良いですね。77年からはドイツ製のコンピューター制御のルーターでボディ成形されるようになるので、ぽっちゃりしちゃってフレッシャーと見分けがつかないような形状になりますし。

70年代後半は、使っていた塗料に問題もあったようで、ブロンド系フィニッシュは要注意だそうです。

ネックはローズ指板の方が評判良いみたいですね。私もローズ指板の77年製のテレキャスターを所有していましたが、コレはなかなか良かったですよ。

山下達郎氏の茶色いテレキャスターも77年製ですし。本人の技量かも知れませんが、あのギター、本当に良い音が出るんですよねぇ。
ラブとしや さんのコメント…
フレッシャー! 確かに70年台後半になると6限側の角とかボテっとしてますね。

お解りの通り、このストラトのワイアリングはリッチーブラックモアスタイルです。そのリッチーが80年に『最近のフェンダーのメイプルネックの質はひどい。ゆえにローズ指板を使うようにした。』と言っていたようです。

次回はいよいよコンデンサーにしようかと思っています。FENDER系の知識は特に凄そうなベニマロさん、またご意見聞かせてくださいね。